風に吹かれうつらうつら声すればはや幾年のめぐりゆく子ら
連休に入りて予定をかんがえる夏日の夜におもいはせらむ
まるぼうず垣根にならぶ紅カナメ連休おわる頃葉いづるらむ
紅カナメ気まぐれに立つわが庭は一本の樹の伸びゆくばかり
昼下がりカーテン揺るる窓際はまばゆい庭にくらゆみゆく春
あらくさのうすき顔色しづもれば芝のびゆかむあはれ爪先
それぞれの休みの顔のならびたるゆきかう人ら若葉みゆる陽
オトくんのとびだす数のふえる日は柵の向こうに休日の人
ひねもすのわかれゆく葉の舞いたれば紅きカナメの東陽のごと
静かなる田舎暮らしも退廃に包まれゆくか建設ラッシュ
駐車場立体化して建ち並ぶ無機質な箱ふえゆくばかり
風薫る季節になればあちこちに若葉マークの危険な香
走らない走らせないか死角にもなってないのに対向車をり
駐車場そろそろ出るかおそろしき若葉マークは前みて走る
うつろわば毎年変わる同じ顔また新しき学生歩く
八重桜深いピンクの花咲けば端午の節句ちかづく並木
鯉のぼりだらんと落ちて葉隠れに身をさらしたり隣家花咲く
アザレアの濃くも紅ざっくりと濃くもなりゆくみどりに落つる
蒲公英の生き残りたる春の庭明日はどうなる風まかせかな
根掘るため100円ショップ出かければ鎌も鋏も箒も売られ
学生の歓迎会にたちかわる連休の客よちよち歩き
せわしなく春に堰かされまったりと自転車の音運び来ぬ風
爪のなか土落としては土の入る春はせつない泡立つ野草
枯れ薄風に吹かれて空き地にぞ身をこごめたる新陳代謝
春風に背を押されつつあゆみゆくうつろう街に違う猫おり
白猫の消えた庭寝る灰色の見知らぬ猫も猫は猫かな
人変わり猫も変わるか春の街とどまる景色そのままにあり
イネガリテ吹く風のごとく見送れば日当たりさえも喧嘩の坩堝
太陽は照りゆくばかり野の原にのせゆく家の重なるやうに
トラブルの蔓延したる人いきれ避けて陽は射す影のびゆく樹
偶像にさしゆかむとすほとぼりは幾世紀のちわかつ想念
根を切れば大樹立ち枯れ境界は土の中にぞふりおろす斧
落雷にしずまりかえる昼さがり家庭訪問春の嵐ぞ
歩きつつ要点話す先生は車の中でシナリオを描く
要点は春の嵐か音のない二階の吾子と犬も寝をりぬ
落雷の消えゆくばかり澄み渡りいつもの午後の落陽(おちび)は伸びる
一人の子みつめ育てつ教室はすぎゆく子らの足音のせて
あつまれば重ね並べる机椅子あまねく子らのうつろいゆかば
マスゲーム眺めるやうに子ら歩く一人の吾子と子らといふ吾子
教室も校庭も子らあつまりつ一人あまねくみそらひろがり
ドラマって一人みつめつ進みたる光のやうだ、子らあつまりぬ
アホな客神と思えとこの国は脅迫のごとくゆがみゆくみち
神になるそがために金集めるとゆとりのやうな鬱憤の腹
農家だに売る米食まぬ流通は空に舞い立つ刈穂の稲に
教会の布切れの山眺めては牡丹の花を肩に載せよと
サックリフィス、シーーッ!マイクの声聞こえ沈黙の間に人流れゆく
いつまでも苛立つ人ら見さげては神と呼べとは虚ろ商ふ
戸を閉せばかごとの渦は吹く風の押し黙るまで飽きずに叩く
谷風の集まり吹かば春の野は形あるもの破壊せしバケツ
凶暴に吹き荒れるかな春嵐朧月浮ぶ麗かな宵
狂へればみすごすこともかたき根のフェンスに絡む蔓花咲けり
地は虚ろ乗り越えてゆく根を切れば木の枯るるまでかごと実りぬ
千年を一日(ひとひ)と数ふあなたにはうすぺらな灯のうすら灯りか
パラダイスひろがる海の青ければ冷たさだけがわかつ光や
五月雨にさらさるる葉の待つここちひろがる光かをる息吹を
十字架の栄光はまた光るらむ万葉のまえふる星のまえ
散りゆかば消えし宇宙の藻屑にもなれぬアジアの身をこごむ春
透きとおる陽の輝きは雲のうえしづかに燃ゆる空将のごと
マラナタとくちぶえ吹けば春風は萌ゆるみどりにいのちをあたふ
グローリアス、ずっとむかしの春風も運んできたかみちしるべあり
ぬばたまの闇のつづくかしきしまはいつの日にやら陸の乾上り
どうしても思い出せないことがある。それはいつ日のとまどいなのか。
百合の花もはや筑波にみられぬがいつ伝わるや猪は知らずに
庭のすみ百合ののびゆく濃いみどり夏まで春は輝くものぞ
水のあるしきしまの四季かがやけば桜散るらんそして咲く春
八重桜ぽつりぽつりと過ぎ去った桜のうたを今ことほげと
少しずつ希望の光輝けば闇は来るらん耐えられぬ夜
めぐりゆく地球の音の聞こえない静かな光輝くばかり
めぐみさえ忘れてすごす大地にも枯れた薄はまだたたずみし
秋風の吹く頃なれば枯れ薄燃ゆる夕陽に身をさらすらん
いのちあたふされど息吹のくりかえす実りのぶどう蔓のかげろふ
サルビアの勝手気ままに葉を伸ばす芝生も今は少しずつ春
高麗の芝に覆われわが庭はアジアの百合のひっそりと夏
朝からか戦後保証を伝えては60歳になったか戦後
年金と医療費削り戦後かな病床の淵デモは歩きぬ
翻弄す澪つくしあれ反戦は反日の旗ふる人らのデモ
南北がひとつになるか反日はそも悪しきなきアジアの平和
イデオロギーわかつ国あれアジアにはみなしごのごと忘らるる川
敷島は海を隔てし今もなお姿変わりぬ泪のやうだ
貧富の差かくも広がるアジアには日の丸みては忘れまじとは
抗日の勃発せしもみごうては少し弱まる日の丸の旗
ちっぽけな島国なんだ敷島は見放してくれほのうるわしき
揺すらるる大地のやうに今日もまた連なる尾根は波をさえぎり
あとすこし鎖国してれば彼方より届かぬ便り明治の前に
ふりかえる過去はありなむ今日もまた感情伝ふ不可思議な波
カプセルを沈めてしまえ海の底震える大地起き上がるまで
彼方より不幸の波の押し寄せる砂浜の色運びぬアジア
厳しくも海風の声飛沫あぐる砂浜のみちほとりつづきぬ
少しずつ解散するか日の丸はことのは隔て聞くこと難く
朝廷の弱まりゆくか万葉のタイムカプセル拾わんと舟
名つく前に花は咲きたり赤い実を誰が呼ぶものぞりんご売るらん
車寄せ土手乗り越えて山の崖少しおりればふきの傘並ぶ
みめぐみの海泳ぐ魚ふくろいれまま泳ぐ魚子ら眺めをる
道はできフォルム麗し美しく水辺の街のたたずむばかり
変わりゆくフォルムをるか街の灯の共に住まへる人ら歩みつ
ベクトルを少し斜めに傾けて異国の灯かり乱反射する
今日もまた地震おとづる海溝をまたぎ敷島どつぷり浸かる
驚きぬ揺れることさえ不可思議に驚く人らに驚きぬ星
流れ星今日も死んだかあの星は何願うてはあははとわらう
この星も流れてゆくか宇宙へとわれら息づくいづこの星へ
ひねもすを揺られて大地たたずめばそういうものだ、われらが星は
集まりて生きるしかなくつくられてなお喧嘩する素直な蟻は
あの蟻は英雄なのか一匹でコップのジュース目指しているが
寡黙にぞ照り輝けばぎこぎこと軋む物音春風は吹く
春風は吹くと思わば黙りこみ地に臥す草もすっくといでし
ラテン語をおおげさなまで区切り謂いつけたしのごと音は流れり
風のごとく吹かば寡黙な風の音流るるやうな星消ゆる日々
太陽は今日も輝ききらきらと葉の揺れている春の一日(ひとひ)に
かなしけれ言の葉のなき悲しみは寡黙な渦に身をほころばせ
野の花の黄色に目覚め雪景色忘れちまつた子らの足音
光あれきらきらとした光あれ記憶の砂の落つる野原は
ひとひらの桜の花の散りゆかばともに臥す日も花の散るらん
青い空広がる日々は砂の音かすかに落ちる日々すごしゆく
われ生るか変はらぬ海に浮ぶ雲うつろはばまたいつもありなん
A to Z いつもありなん彼方にぞすっくといでし白雲のごと
在る夢のまぼろしと呼ぶ大地にも花咲く丘は共にあるらん
われ失くも在る夢のごと大地には綻ぶ音の響き渡らん
A to Z 水の中にもA to Z われ知らずとも君は生るらん
言の葉のむなしきを知る夕べかな調べの音に消ゆる想ひす
泡立てば耳を奏でる騒音も電子の文字に見え隠れする
ふっつりと A to Z のみちのりを初めにみゆることのはゆれる
ことのはの消えてしまうか丘のうえ生れこしイエス死の消えゆかば
永遠にくりかえさるるZまではふふむ息さえもらすため息
静かなるいのちのみちにほのかをる風の運びぬ季節はめぐる
炎(ほむら)いづ日の出のこみち永遠はくりかえさるる星めぐるみち
破滅へと向かいいづるか人のみち咲ける花さえ微笑んでいる
微笑んで死ねというのか十字架はやすけき愛の鐘の鳴る丘
生れこしも永遠のいのちのめぐりゆく露光たる今にありしも
雲雀わらうこみちのように微笑んであなたのもとにいづる天国
遠い日の記憶のやうな輝きは微笑むちごのミルクの匂い
めぐりゆくページのやうなうすぺらなひねもすの花A to Z へ
不思議なことに
わたしたちは生きています。
愛の息しづかに消えゆ丘のうえ夢みるやうに連なる尾根に
青い屋根小さな光見渡せば裾野いっぱいオリーブ畑
風に吹かれ石垣のうえ座りこむ見渡すばかり青い空かな
大空を旋回するか鳩の群れ飛び込む孔はいく世紀積む
風に吹かれ風に融けゆき風のなか飛びまわる鳩ひらひらと羽
ふうわりと羽を飛ばすか石垣にいったりきたり風の吹く道
空高く羽を飛ばして舞い上がる落ちては羽はふうわりと道
吹きあぐる風の音さえ灼熱はふうわりとした日影に消ゆる
喉の渇く道すがら石厚くあり冷んやりとした木陰のベンチ
バスの中青い椅子から降りたてば明るい石の積まれた世紀
乗り越えて歩いてみたい線路際プラットホームはまばゆいばかり
春雷のまばゆきひざし轟きぬ雲間切れゆく天使の梯子
すみわたるまばゆき光夕まぐれわれは昇りき天使の梯子
あの梯子昇ってゆかば透きとおる淡き青空陽はまぶしくも
落雷はぱらりぱらぱら脅かして小学生の走り出す笑み
斜め傘あたま隠して走り出す落雷の音つぎつぎ落つる
オレンジの透きとおる陽の直光の突き刺すやうに窓辺暮れゆく
あらくさの泡立つやうに輝けばふわふわと原踏みつ歩きぬ
朝露に軍手とおりぬぐしょぬれの痛みのやうな冷たい手先
少しだけ硬直したか指先はキー打ちもろき暗き画面に
バケツなか放り込んではあらくさの重なり具合春の重みか
気まぐれな落雷の音遠のけばしづかな落ち日葉隠れの森
ごみ出しに
三羽カラスと
目があった
私はそれを
我慢できない
ごみ出しの時間になると、三羽のカラスが電柱にとまっているんです。
待つなよ・・
* ケータイ短歌への投稿。
付け句募集ということで、上の句がわたし、下の句はお題。
今度からお題が変わると募集のお知らせが届くようになったのでしょうか・・・
時深ししづまりかへる時計にぞ振り子は揺れるあわぬ刻み針
一声を「あいつら」といふ反日もかみあわぬまま背に暮るる山
白黒を決着つけしサッカーも黄金のとさか走りをる芝
おまぬけはふるき時代のたまものと窓に立ちたるをとめのにあふ
雨のまどからすの糞のとけゆかば走るみちにはとけゆく光
大胆にくるまのうえを飛ぶからす朝の電柱とまりぎにして
まっぴらだすったもんだのかけごえに遠吠えするも犬のごときか
イデオロギー高尚すぎて鐘の音つきて燃え出す紙幣のやうに
ごみのやまほしいというか物好きなイデオロギーのかけごえを聞く
列強になつちまつたか敷島は日本の旗のまんまるおめめ
馬鹿にしてバカになつてもバカバカし怒るからすはかあかあと鳴く
退廃はものゆくだるく永劫の背老いた人のあゆむ山坂
信号に時間の無駄を感づれば吾子も立派なしきしまの人
せつかちにせつつかれては夜の道をそろそろ走る信号をみし
たおら今重なるやうな機織はユーカリ模様見知らぬ故郷
鶴の声ロートレアモン不可思議なくらがりのパリ地球はまるい
渡り鳥国をこえゆく一声に砂利道走る突発の夢
どこまでも空広くあれ釧路にぞ一本道のゆるりとつづく
おおぞらがまるいと知るかみちつづく長き平野の草原の馬
スタリオンいきづく馬のすくなさも長生きを知るキングの輸入
大相撲のこったのこった草原に馬立ちあぐり組み手かわせり
草原を駆け出す馬に手綱なし走れ走れと走れ生れ馬
われのこと覚えているか母馬になつてしまつて微笑む宝珠
たおやかにゆきすぎる風ながき道汝追うわれも一児の母に
サウダーヂゆきすぎてみるまるい空吹きすさぶ風息の濃い草
ぐんぐんと空に向かってゆくやうな風のこみちは土間のある家
雪景色忘れちまつた草原の冷たい息は夏のおとづれ
さわさわと騒ぎまくるかポプラの木並んで夏は葉隠れの夢
大粒の雨に濡れては水滴のフロントガラスなお汚れいづ
空からか鳥の糞さえみっつ降るいまいましきはパラパラの雨
本降りになってしまえば明日の朝なまけて春は目を覚ますかな
ドライヤー吹きつけてゆく窓ガラスもはや曇りも雨も闇空
曇天を肩に背負っているやうな肩こりのする目の霞む春
こうやつて時間ばかりがセイフティ反日モードは日清の麺
今さらに比べてみても大地さえ広がるならば敷島の海
ヴァチカンのビデオ眺める昼下がりアメリカ訛りの神父さまかな
選挙にも似た声のするジーザスを褒め称えては耳ふさがりぬ
すなおって静かにすごす昼下がりおもてに出たい犬の爪音
パラパラと石をめがけて大粒の雨をかぶりぬ色褪めた芝
はらはらと降るなら降るで家のなかしづもりをれば鳥の糞落つ
反日を怒ってみても子に伝ふ水面の泡は一滴の雨
つけたしに「文学」の文字(もんじ)眺むれば本は売るもの?あめぶろテーゼ
購買部せつつくなかれ写真集堂々として電子は踊る
書店にぞ片隅にあれエロげろは堂々として電子に変はる
レンタル屋2階は大人ステップは店員のためあるやうなもの
コンビニに立ち並びたる立ち読みのずらり並んだ深夜の真顔
やまとくに堂々として並びたるエロげろをポルノと呼ぶもおさなき真顔
飴玉を一つあたへる大人にはなれぬ稚児立つコンビニの棚
おばかさんおさるさんだね立ち読みす深夜の窓に並んだ顔は
われゐるやネオンのやうな画面にぞ見ゆる名前のうつろはば汝(なれ)
セーターを掻き瑕だらけに立ちあぐるオトの爪切る曲がりゆく時
ぽつぽつと芝うえ映えるみどりかなあらくさ萌ゆる春恥ずかしむ
鎌の苦手ほりおこす土ぬきたれば左手で草つかみをる吾
利き手すら役に立たぬか不器用なつちしごとにも慣れんとす、無駄
いづる春めでてうれしきあらくさは点点模様芝にえがきつ
掻き瑕をテラスドアにぞ立ちあぐるオトと風とがひといきに来る
麗。さまが作家デビューということで、お祝いにトラバりませう。小説は読んだことはないんですけど、このところ時代は女流官能小説作家へと傾きつつあるのかも。男が書く女ではなく、女が女を書く。自分的にはそのほうがナチュラルな気がするし、斬新かもしれないな。
官能に花は散るらむさくら葉もくれなひかをる落つる秋にぞ
けものみち君の呼びたるふくろうのたたずむ夜は白白と月
太陽はまっぴらだよとけものみち夜をみまもりぬ白糸の雨
けものみち吐く息熱くしづもれる夜空に浮ぶおぼろ月数寄
紅に染まりゆく葉の萌えいづる春のはな散るみじかき縁
花影に葉の伸びゆかば透かし陽のゆびさき透ける血いろくれなふ
mihoさまへ、久しぶりのトラバ短歌
去年(こぞ)の夏失せてしまつた腐り木の欠片もつちに春はもどり来
朽ちる板朽ちる荒れ庭咲く花の色さえ朧止まり木も消ゆ
薔薇・ざくろ・梨の白花・ミモザ生(あ)れ芝のりこえて水仙の葉だに
光刺す鋭さ暮るる庭先の尖った枝にあつまる茜
ボサノバを聴いていた日はつかのまの雪を見ていた記憶うすらひ
芝草をかすることなく逝きすぎた窓辺に立ちつ凍へるマリア
媒体を君によするかわれの色萌ゆるみどり葉ひかり芽のうへ
とおる色ふかぶかとしてひかりひかるとらへる時はいつがまぶしき
君がうへ想ひよするが波の音われ聴きたしもかげろふ紫苑
馬のあし細々としてどつしりと砂を蹴る蹴る朝の砂浜
タイの海かげろふばかり津波すらのみこむばかりあしもとの道
あまりにも難しい質問なので・・・考えているうちに、それも歌にしてしまいました。
茫洋とことのはの海ながむればつづりもむなしくりかへす波
図書館の貸し出し本を読むやうに釈超空の眼空走りぬ
しつとりとつまることばのうた書きは切れはしのうえ濁音は消ゆ
しんみりとみつまたのみち咲く花のふさふさとしたここち知るべし
わかれみち咲く花の名を訊きたしも君はいづこへ名をしづめたり
春や春。桜の花の散りゆかば花の散るみちダウンを羽織り。
夜の花、ぼんぼりのやうまるまって、すこしずつ散る。寒さもどり来。
オトくんの見えない朝はしづかなり。布団のなかにもぐりこむ犬。
猫なのか、と言いたくもなる寒がりの犬も震える桜の季節。
しんみりとクローンのやうなマリちゃんはもどらない犬。イエスさまのとこ。
誕生日、母の見舞いはどうするか、こころ走りてメールは来ない。
七十も重ね生きたかわが母は春を知らずにうんうん唸る。
冷えすぎの部屋の寒さにおどろきぬ。ただ雨が降る。それだけなのに。
白髪の皇太子には灰色の妃の似合う、あといく歳か。
密葬を見ているやうな挙式にぞいくたびか夢大空が月
桜にぞ罪はなかりき。花嫌ふわれの青き日もどりきぬ、雨。
躯にぞ布かれて春がやって来た。遠まわりして、静かな雨。
死に絶へた躯のみちをたどるやうたどたどしわれの心は
念を知る。呼ぶことだまを省みる、しらべのやうだ、ちいさな背中。
おぼろげに月が呼んだかかのひとをひときわ白く光る。汀の。
宗 左近は素晴らしい。
全宇宙を映して白い夢 大満月 (宗 左近)
勝手に、返歌する。
道しるべつかんだように眠る夢 夢の中では道ひとつだけ
白い路地、月にもあるの? 白世界 地球の海は青いのです。
満月は青い空にも小宇宙 白い夕暮れ 浮んでる月
アシジにも浮んでいたよ大満月 あまりにひかり山の外灯
山の裾 外灯ともる大宇宙 地球のあかりに慣れすぎてるの
著者: 宗 左近
タイトル: いつも未来である始原
こころなか沁みゐるやうに馬場あき子ふいに読みいづ舞ふさくら花
立ちどまれさくらの散るを待つやうな一片たりとも落つるものかと
みちゆかば慣れたさくらは微笑んでいまが盛りと一片もなく
公園の踏みしだかるる舞ひ桜享楽といふまなこのせゆく
遺す歳(とせ)いまをうたふといつの日かまなこつむれるおのれ視づ底
絡みあふ小さな針の向こふにはちくんと刺した脳とてのひら
突かれてかすかな痛み脳のなか生みいづやうな言の葉の舞ふ
いくえにも脳を掠める言の葉を吸い込むようだ麗かな春
昨日までの冷たい風が嘘のやう晴れわたる空澄みわたる風
キャンドルを下から燈す春桜すこしずつ花広がりゆかば
冷たさと明るさのゆく陽のみちは慣れない春にとまどふ桜
公園の小さな桜伸びゆかば吾子育ちゆくとおりゆく風
パパさまは「かくあれかし」とつぶやいてみそらに舞ひし白い雲あれ
みそらにぞゆく雲あらば白白と光さしたる澄みわたる風
少しずつ芽を吹く桜花びらの舞い散るまでは彼方のみそら
たましひのゆく雲あるかみそらにはふわふわとした愛の吹くみち
月さえも青いおそらに浮んでる大きな顔をのぞかせる窓
ご返歌☆mihoさまへ
遅咲きと言われし桜手折り来て明日を迎える息子緊張(mihoさま)
桜木を手折る背丈に伸びゆかば春の新芽は子らの声聴く(しらいし)
ご返歌☆湖南さまへ
こひこころ あればたくさんの 歌をよむべし
言霊の不可思議なるわざ(湖南さま)
恋文になぞらへうたふ歌詠みの羽のはえたるこころはうさぎ(しらいし)
春風の冷たさのあり夜風には黒きダウンを羽織り歩きぬ
ゆるやかな流るる風のおとづれは戸を閉すやうに春に届かず
雑巾を今に縫いおる夜更けには朝の始まり遠く近くと
夏の朝すぐに夜は明け短かければ春のおとづれ朝は遠のき
老いというやすらぎもある死のみちはこころしづもり迎えるこみち
若き日はもうくたくただ。坂道を登ることさえかたき囀り。
こころだにくたくただった若き日に戻りたいのかあな驚きぬ
しづもれた腕に抱かるるおさなごに戻りゆくやうな老いといふもの
すこしずつ春おとづるる花の香を待ち焦がれたる冷たき朝に
黄金の低き日の出は冬ですか。低き夕陽もまた冬ですか。
太陽の低きひねもすゆるりとし高きひねもす陽を追い求む
陽に染まり黄昏るるみちすぎゆかば永久のふるさとあまねく夜空
にこやかに顔をそろえた水仙はお行儀よきさま覗かせてゐる
春咲かぬ桜を待ちつしづごころ散るや桜は召さるる天に
世にふるや遠の報せのめぐりゆくせまき地球におどろきもせぬ
げにあらやすこしおどろくわが身かな海瀬わたりぬ鳥を思はぬ
カテゴリー増やしてわけてわからない記事のゆくえを目と手で追いつ
ランキング止まったままで変わりゆくお勧めブログjavascript
Shiftキーあることを知るブログ記事frontpageを思ふここちする
目の前の編集画面わがブログすっきりくきりシンプルスキン
真っ白なブログ憧るるデフォルトのPlain Jane懐かしんでは
いつのまにログアウトなりわたくしは気づかぬうちに追い出されてる
飛ぶ記事を飛ぶ言の葉の逃げ場かな電子の散りしミモザ葉のごと
■ご返歌
打ち込みしタグの苦労をプログラマ見ざる聞かざる日光の猿(biasさま)
あんぐらに陽のかをり嗅ぐ電子文字さくら前線横浜ラジオ(しらいし)
☆
そんなこと聞いてないヨと居直られ
「オマエがボケ」だとそっとつぶやく(ヤシマさま)
言わざらば棚に隠したぼたもちは化石となりて暮らしつたふれ(しらいし)
☆
この年で 今夜もタグを 悩みつつ打ちつうたれつ 日々修行。(limeginさま)
ユーミンをなつかしんでるあなたつてつりめのにあふタグつかひかな(しらいし)
☆
久しぶりにご返歌しているような・・・
そういえば、トラバろうと思ってもどこの記事にトラバってよいのか迷いますね。
飛ばす記事いづこにとどく迷いみち迷子のやうに本当に消ゆ
ping送信が届いていないんです・・・このところ。
あーゆーーつ。
少しずつ書き記したる無意味さを永久に問うては散る言の葉は
これでもか、これでもかって羅列するふぞろいな文字うつろわば春
失くしたキー不意に現るジーパンの後ろポケット何日眠る
ドラクエをやっているほうがマシだよと機械相手になにつぶやくか
短歌にはポツポツとしてあらわれる大きな文字がよくにあふかな
一首詠み、改行のタグ加えてる。まどろこしさがすぎゆくばかり。
もともとはひとりごちたる歌詠みはのんびりとした画面がにあふ
勢いのあしき羅列の浮ぶとき希望のひかり夕まぐる雲
人類は機械つかって猿(えん)になり遠回りしてタグを打ち込む