April 29, 2005

【今日の短歌】 爪のなか土落としては土の入る春はせつない泡立つ野草

静かなる田舎暮らしも退廃に包まれゆくか建設ラッシュ
駐車場立体化して建ち並ぶ無機質な箱ふえゆくばかり

風薫る季節になればあちこちに若葉マークの危険な香
走らない走らせないか死角にもなってないのに対向車をり
駐車場そろそろ出るかおそろしき若葉マークは前みて走る
うつろわば毎年変わる同じ顔また新しき学生歩く

八重桜深いピンクの花咲けば端午の節句ちかづく並木
鯉のぼりだらんと落ちて葉隠れに身をさらしたり隣家花咲く
アザレアの濃くも紅ざっくりと濃くもなりゆくみどりに落つる
蒲公英の生き残りたる春の庭明日はどうなる風まかせかな

根掘るため100円ショップ出かければ鎌も鋏も箒も売られ
学生の歓迎会にたちかわる連休の客よちよち歩き
せわしなく春に堰かされまったりと自転車の音運び来ぬ風
爪のなか土落としては土の入る春はせつない泡立つ野草
枯れ薄風に吹かれて空き地にぞ身をこごめたる新陳代謝

春風に背を押されつつあゆみゆくうつろう街に違う猫おり
白猫の消えた庭寝る灰色の見知らぬ猫も猫は猫かな
人変わり猫も変わるか春の街とどまる景色そのままにあり

投稿者 Blue Wind : April 29, 2005 12:50 AM | トラックバック
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