April 23, 2005

【短歌】 花の国籍

千年を一日(ひとひ)と数ふあなたにはうすぺらな灯のうすら灯りか
パラダイスひろがる海の青ければ冷たさだけがわかつ光や
五月雨にさらさるる葉の待つここちひろがる光かをる息吹を
十字架の栄光はまた光るらむ万葉のまえふる星のまえ
散りゆかば消えし宇宙の藻屑にもなれぬアジアの身をこごむ春
透きとおる陽の輝きは雲のうえしづかに燃ゆる空将のごと
マラナタとくちぶえ吹けば春風は萌ゆるみどりにいのちをあたふ
グローリアス、ずっとむかしの春風も運んできたかみちしるべあり
ぬばたまの闇のつづくかしきしまはいつの日にやら陸の乾上り
どうしても思い出せないことがある。それはいつ日のとまどいなのか。
百合の花もはや筑波にみられぬがいつ伝わるや猪は知らずに
庭のすみ百合ののびゆく濃いみどり夏まで春は輝くものぞ
水のあるしきしまの四季かがやけば桜散るらんそして咲く春
八重桜ぽつりぽつりと過ぎ去った桜のうたを今ことほげと
少しずつ希望の光輝けば闇は来るらん耐えられぬ夜
めぐりゆく地球の音の聞こえない静かな光輝くばかり
めぐみさえ忘れてすごす大地にも枯れた薄はまだたたずみし
秋風の吹く頃なれば枯れ薄燃ゆる夕陽に身をさらすらん
いのちあたふされど息吹のくりかえす実りのぶどう蔓のかげろふ
サルビアの勝手気ままに葉を伸ばす芝生も今は少しずつ春
高麗の芝に覆われわが庭はアジアの百合のひっそりと夏

投稿者 Blue Wind : April 23, 2005 09:17 AM | トラックバック
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