われゐるやネオンのやうな画面にぞ見ゆる名前のうつろはば汝(なれ) セーターを掻き瑕だらけに立ちあぐるオトの爪切る曲がりゆく時 ぽつぽつと芝うえ映えるみどりかなあらくさ萌ゆる春恥ずかしむ 鎌の苦手ほりおこす土ぬきたれば左手で草つかみをる吾 利き手すら役に立たぬか不器用なつちしごとにも慣れんとす、無駄 いづる春めでてうれしきあらくさは点点模様芝にえがきつ 掻き瑕をテラスドアにぞ立ちあぐるオトと風とがひといきに来る