作業場になるは寂しいパスワード付BBSをひそかに眺む
人生を不毛なままで過ごすなら荒野のような冬もまたよし
お昼時ボーリングなど行くよりもオトと留守番ロックとジャズと
『パッション』のコメントを読むアメリカは神学論へ浮遊しており
麻原の死刑判決見るよりも夕飯時はアニメが映る
イエスなら上告さえもしないだろうオウムよオウムオームはオーム
シナプスの未完成なうち伝えよと愛なき世界を光へ変える
論争は大学ででもやってくれ母は昼寝す小春日和に
真実は目に触れたもの輝きの光の中から落ちてくるもの
青空はまぶしい光のぞかせて昨日は晴れて今日は曇るる
驚くな迷いもいらぬ空の陽は地球を照らすいついつまでも
りんさんの小さなターム星屑のちりにもなれぬちっぽけな今
老人は今日も明日もよわりゆきよわまることでいのちを点火
短歌より娘が大事と言ったなら甘えていると言うアホもいた
番犬を飼ってまでするネットかな危険な時代未知なる道具
電源のコードを切れば終わるのに息子は父を警察送り
DVと躾けの違いわからないおバカな親の末路を眺む
気のせいかセーター着るとオトの匂い春の予感がちらり掠める
ヨハネによる福音書 8. 31-38 真理はあなたたちを自由にする
愛のない過酷な道をあゆむ人風はゆきすぎ家族の残る
家族さえ死を待ち望む年寄りの生きざまを見し画面の向こう
オトくんはジャンプジャンプ2本足得意気な顔ポーズしている
あの人の遺体は誰が引き取るの連絡のない家族をさがす
冷え切った病室に寝る年寄りに毛布掛けても寒いと語る
愛されて最期のことば川崎さんあなたの愛を受け取りました
いくつもの死を見つめつつ愛憎の最期の瞬間(とき)に人生を知る
エズラ記 8. 21-23 旅の初めの祈り
オトちゃんのお世話だけをしていろと言われるあたしえへんとえばる
地雷とはあたしのことかたまに思う軽やかに飛べ天はみまもる
なにもかもぽんとほうってあそんでもおそらの虹はたかく広がる
ややこしいことなど誰かやってよと子犬とあそぶ好きなサウンド
あおとんぼあおあおい薔薇巨大虹ななしの花とたわむれあそぶ
魂の癒されるとき子犬すらすやすや眠るわが腕の中
泣き声の聴こえぬ人は夢の中あそびたはむる深き眠りに
癒しなど求めないでと思うのです。癒しがほしいのはわたしだから
明日のこと明日おもえと夕焼けはみかづきの皿を空に浮かべる
森のうえ静かにうかぶみかづきは星うけとめるさかずきとなる
うすぎたないヒエラルキーの贈り物イネガリテしか感じとれずに
マルクスを捨ててみてから読んでみて聖書・講話なんでもいいから
マルクスのシナプスばかりつくられた脳の中での聖書ストーリー
詩篇 119. 169-176 (アルファベットによる詩)
あまりにも普通すぎてぎゃーすかと言われるんだろうってたまに思(も)う
きらりんときんきらきんと華美きらう瞳キラキラ空もキラキラ
六本木青山原宿渋谷まですっぴん歩き自転車に乗る
つくばねは自動車天国あるくひとめったにいない並木は揺れる
オリオン座のんびりながめ道わたる夜中の店は朝までにぎわう
うたマニアほっぷすてっぷじゃんぷして古今東西れとろなあたし
もじよんでわからぬあなたのためならば神さまとだけおはなしをする
今の世はあなたもわたしもみな自由おそらの星には自由はないけど
オトくんは勝手気ままで忠実でどんぐりまなこ微笑んでいる
身勝手を怒っているあなたが一番勝手なのよとみな怒りたる
アッシジの魔法の小箱で昼寝してキャッチボールで遊んでみたい
壁画見て、パッと閃く気がするの。壁の落書き未来のアート・・
いえじゅうをむすめのためにさしだそう好きにつかえとおもってしまう
エレミヤ書 30. 8-24
枯れ草はウッドデッキに腕をのせゴリラの手指何かをつかむ
今・今・今、今が受難の時などと思いてもなお今・今・今・・か
おもいてもなお苦しみのとき光るさ憐れみたるうれいがかなし
神の手の吾子背負いたる十字架はさ憐れみたるおもい苦しき
なほ入りて混迷のふちアングラは二重螺旋の遺伝子のごとく
権力のなほつづきゆく混迷の愛をパワーと語るむなしき
パソコンを買おうと外へ出る子にはなにをもちいてつよさと語る
申命記 17.8 上告について
膝の上すやすや眠るオットーとかわってみたい夢の中では
いつの日か昼寝している陽だまりで神さまとだけ話しているらし
番犬にならぬと思うオトくんはキッチン行って誰に吠えてる
陽だまりに黙っていてもつうじあえる娘と子犬やさしきカノン
錦鯉すいすい泳ぐバリの池サンダル鳴らす潮風の中
天国は悲しい世界十字架を背負うのやめてと誰か伝えて
ジーザスはそれでも背負う誰がために空すみわたり悲しみ色に
けだるさは不幸の海に広がって陽は輝けり浮かぶ雲見ゆ
神さまはどこにいるのと吾子は問うここにいるよと答えるしかなく
キリ番を機械に踏まれつづきゆく数字はまわる次のキリ番
さわやかな冬風は吹くそよそよとさよわくつよくオートマチック
哀歌 3. 1-24 第三の歌(アルファベットによる詩)
寂しくもヒバリになれぬ心にはシガーはのぼるゆらゆら煙る
毎日をおそろしいほど聴き捨ててヒバリの声を探し求める
未読本未開封音積まれゆく朝陽の窓のカーテン揺れる
少しだけ開けた窓からすきま風庭の小鳥のさえずりを聴く
一つだけわかったことはあの鳥は雲雀でもなく雀でもなく
神さまとだけお話せよと言われてもオトくんは呼ぶウンチしたよと
わが声のかそこく鳴けば耳澄まし雷鳴は鳴る空からの声
海よりも深い悲しみ沈みおる世界の果ては宇宙と呼ばれ
天はなお空高くあり海よりも深く沈みて孤独を包む
魂の打ち沈みゆく船出には夜中の海のよく似合うかな
人の死を忘れて生きる世の中にこれでもかって死を見せられる
ポケベルは急ぎの仕事すなわちは「誰か死ぬよ」と言いたいらしい
真夜中にポケベル鳴って夫を起こすいびき高らか死にも負けずに
指先をちょいと娘が怪我をする縫うと騒ぎし大袈裟な夫よ
死の恐怖他人事には思えても失う恐怖わがこととなり
めぐりゆく月日の想い今日もまたオトを抱きつ泣いてるあたし
三つ足で歩くオトちゃんおろおろと眺めるあたし夫に叱られる
すでにもうオトちゃんの足は治っていると医者は言う。なのにケンケン
ポロシャツを着せられたオト今はもう服など要らぬ気ままに遊ぶ
いとおしい愛に餓えたる子犬かなわが腕のなか心音を聞く
複雑な想いのよぎるスーパーよ今日の買い物忘れるところ
もしオトが血統書など無かったら生きてはいない現実のあり
服好きな子犬のミニはオトになり白石オットー小鹿となりぬ
悔しくてあと2,3万送ろうと思ったけれど安値は安値
オトはオトわがやの子犬おきらくにあたしは母か白猫なのか
アングラを飛び出したと思ったらなお深い闇の中へ入りぬ
ジロさんが”白い巨塔”と言ったなら本家本元せせら笑いし
地獄道どこまでつづく闇の中白き雪さえ闇を照らせぬ
薄明かり蒼き世界のしんしんと夜行のバスはスキー場へと
PASSIONの予告編を見ただけで震えてしまうわたしという人
ジーザスの受難を思えと言うけれどそは厳しくてクロスは重い
オトちゃんは悪魔のような耳をして天使のような瞳で食べる
何のため詠うものかと考えて汚染をきらうわたしという人
あまりにも簡単すぎるこころなど死んでしまうは言の葉のゆき
憐れみを憐れみをまた憐れみをPIETAPIETAPIETAPIETA
つきあいがあるとかないとかあほらしくよのなかのことしらないあたし
犬しゃかいとてもうるさく吠えまくるぬいぐるみさえ嫉妬で噛むオト
壮絶な老人介護に生き甲斐をみいだす人の死へ向かいゆく
姑の冷たくされてなお息子いとおしむさま弱りゆく母
おおらかにほがらかなりし賛美歌をいつか書きたい雲雀のように
列王記上 1.38
そよ風がそよそよそよぐ野の原で野武士のように風を待ちたる
野に朽ちてゆく花びらは踏まれおり桜の花はなぜに舞い散る
あの雪は春には消えて泥の下また降り積もる雪を待ちたり
おもしろくもない歌を詠むたのしみはランボーの砂のアデンにつづく
風のみちうねうね曲がる空のみち一本道はあおくひろがる
自由へとつづくうねみち風のみちとおいお空にひとっとびかな
飛び出してなほつかまって飛び出して火の粉かぶってなほつづくみち
信号をのんびり眺む交差点背中押されて遠い待ち人
歌詠いまたストレスで歌詠い外気の温度3度上がれり
若くして歌など詠むということは死はちかづきてなお生きるため
やせぽちのミニチュア・ピンシャのオトちゃんはさびしがりやでひとみしりする
もぎたてと書かれたコーンの缶詰は開けたばかりのアルミの匂い
頭から髭を生やした夏色のとうきび畑は日陰の匂い
しあわせを鬱と臥すクセ鳴き声は頭の芯まで響く犬と吾
黒犬は籠の中にて吠えまくり白猫は庭で気障って眠る
かさこそと慣れない音が走ってるオトとわたしのいる部屋の中
黒犬は13日の金曜日走りまわれりわたしのまわり
バタイユにもどるべきとかドクトルは何を言うべしうららかな日に
オトちゃんはドーベルマンではありませぬミニチュアピンシャの子犬なのです
退廃は部屋いっぱいに広がって中華クラゲの残りを食べる
トレイシー・ソーンのアルトなお声は退廃めいた気分くすぐる
歌なんぞもう詠まないぞと思っても指は動きぬサイトの肥やし
ミニチュア・ピンシャ見つけて浮かれてるダンナとちびは明日こそはと
来る前に「オト」と名づけた幻の犬は明日にも現れるかな
”オトちゃん”はどんな犬かと尋ねてはミニチュアダックスと言っていたのに
真っ白な原稿用紙に向かいては新たな夢の広がりゆくなり
まるもじの娘の書いた手紙読む家の絵だけがやけに大きく
読みかけの本をパチンと放り出すわかったようなわからないまま
逃げ出して逃げても逃げても進む道どこかに地雷どこかに花野
「焼き魚にする?」と問われ魂は夕飯どきに戻り来たれる
楽園の海から届く焼き魚いつかはわれも海の藻屑に
からみつく海草ばかりレンボンガン食む人なきも干す人ありき
戦地へと向かうようです歌詠みは古今は告げるやわらぎの歌
世の中はすでに権力を欲しない愛に餓えたる闇の中など
そして今日聖書に戻る一からと未来永劫宇宙は彼方
のんびりとこの夏の旅考える春はまだ来ぬあらくさ立ちぬ
ささくれた気分は遠く太陽の国へ飛ばして輝きを思う
歌壇とは花壇のようでちつぽけで陽は輝けり野にも山にも
澄み渡る冬日の空は紺碧で月は輝く屋根の上にも
モリ・カンテ聴こうとしても暗黒の大陸はなお紛争地帯
魂の抜け殻となる言の葉の浮かびては消えまた浮かび臥す
詩編 120
ささやかな移ろう日々は自虐的悦びの中謳われている
たのむから先に言ってよ師匠なら切手代を返してほしい
本当はBLUE聴きたい夜なのに平井堅が流れておりし
またこれで与謝野晶子は遠のいていく過去歌の整理というもの
数だけじゃダメなんだろうか当たり前わかっていても与謝野晶子さ
おこちゃまの言葉のれんしゅうしてるよな”57577”はなん文字
ひらがなをたくさん使ってサルトルは蛙のように書かれてはいる
新しい聖書の文字はバビロンの陥落から不意に始まる
精神は自由ですけど肉体は不自由。そして心を縛る
楽園は遠くにありてちかづきつ飛沫まみれの夕暮るる空
そんなことはどっちでもいいと思いつつ権力といふ波はおしよす
やさしさをひとつくださいあわれみを昨日の明日の今日といふ日に
おしよする波のしぶきを一滴とかぞえてむなし海をかぞえる
世界にはひろがりゆくぞ使徒職のかぞえてむなし砂粒となる
あのひともこのひときらいすききらい嗚咽の底にすきま風吹く
そして誰もいなくなつてあのひとはつまらぬ歌をことほぎてゆく
野に咲きてゆく花のかほる野の道を天地(あめつち)のごと雲雀飛びゆく
いまいちど生きて逢いたいジーザスは地の果つる野にひつそりと咲く
ラテン語は今もわからぬポーチギー意味のないまま記憶する音
バビロンの陥落(イザヤ書 47)
かさこそと枯れ草踏んで庭にも春の甘い香りを待ちこがれたり
アカシアの苗を植えたら合歓の木のやうなミモザか名をいくつ持つ
あの夢は幻でしたそしてまた夜は明け日の出待つ朝になる
わたしには自由な時間が必要なのですと言う気まぐれな猫
音色には庭の小鳥のさえずりがバックコーラス今日もボサノヴァ
◇ アングラ
アングラは疲れた人を呑みこみつうすぐらき窓背の人映す
あの人もまたこの人も眠りゐる希薄な音のガタゴト続く
ドアの外「悔い改めよ」と流れゆくプラットホームは改札遠く
世紀末生き生きし吾ヴィオロンのため息のごと未来にありき
くりせんになりたくないと若人ら職を持たずに遊びゆくなり
軽やかに生きて筆持つ苦しみの深き海にも魚のありき
けんめいに誰がため生きし屍の不景気の世にうつ花咲けり
闇ゆかば地下鉄走る地下の道天には赤いライト瞬き
山あがり谷をくだりて駆け巡る風のゆくえに憧るる吾
わが歌を自虐的にもえらびおる悪魔のやうな悦びを知る
人生は無駄な時間の多すぎるふりかえりしは運命のまま
人生はなにがあるのかわからない与えられたらやるっきゃないかも
ほしいもの手に入らぬと嘆いてはほしくないのにあたはれるべし
昼下がり閑散としたオフィスでうたたねをする夢を見ました
究極に猿(ひと)に嫌気がさしたならジーザスだけを人間(ひと)とぞおもへ
悲しみに憎しみにぞと垢まみるこころはどうかしまつておいて
ジーザスを愛する人はHAPPYかな心ないのが女といふなら
社会など責める人は大嫌いあんたのこころが腐ってるのよ
社会など呪える人は消えゆかむ地獄へおつる音のするべし
磔刑のゆるされまじは我らなり愛は天より地にわきあぐる
曇天の空よりいづるいかづちは雲のむこうにまぶしきかくす
しづけさを光に讃え時のない世界は寡黙すきとおる矢に
鬱々と初期化できずに悩みては暗き海へと沈みゆくふね
家を出て病床につく年寄りに話すがごとくくりせんにいう
クリスチャンリンク外せば終わるのにしがみつきたい外過ぎる風
頼むからリンク外してカルトなら『レ・ミゼラブル』も正しく読んで
「よく読んで書いてあるから」ああ文字の誤釈しせしも行間はなく
うららかな陽射しの中でぼんやりとうらぎりといふふかなさけ思ふ