真っ白な原稿用紙に向かいては新たな夢の広がりゆくなり
まるもじの娘の書いた手紙読む家の絵だけがやけに大きく
読みかけの本をパチンと放り出すわかったようなわからないまま
逃げ出して逃げても逃げても進む道どこかに地雷どこかに花野
「焼き魚にする?」と問われ魂は夕飯どきに戻り来たれる
楽園の海から届く焼き魚いつかはわれも海の藻屑に
からみつく海草ばかりレンボンガン食む人なきも干す人ありき
戦地へと向かうようです歌詠みは古今は告げるやわらぎの歌
世の中はすでに権力を欲しない愛に餓えたる闇の中など
そして今日聖書に戻る一からと未来永劫宇宙は彼方
のんびりとこの夏の旅考える春はまだ来ぬあらくさ立ちぬ
ささくれた気分は遠く太陽の国へ飛ばして輝きを思う
歌壇とは花壇のようでちつぽけで陽は輝けり野にも山にも
澄み渡る冬日の空は紺碧で月は輝く屋根の上にも
モリ・カンテ聴こうとしても暗黒の大陸はなお紛争地帯
魂の抜け殻となる言の葉の浮かびては消えまた浮かび臥す
詩編 120
ささやかな移ろう日々は自虐的悦びの中謳われている
たのむから先に言ってよ師匠なら切手代を返してほしい
本当はBLUE聴きたい夜なのに平井堅が流れておりし
またこれで与謝野晶子は遠のいていく過去歌の整理というもの
数だけじゃダメなんだろうか当たり前わかっていても与謝野晶子さ
おこちゃまの言葉のれんしゅうしてるよな”57577”はなん文字
ひらがなをたくさん使ってサルトルは蛙のように書かれてはいる
新しい聖書の文字はバビロンの陥落から不意に始まる
精神は自由ですけど肉体は不自由。そして心を縛る
楽園は遠くにありてちかづきつ飛沫まみれの夕暮るる空