February 17, 2004

姑の冷たくされてなお息子いとおしむさま弱りゆく母

めぐりゆく月日の想い今日もまたオトを抱きつ泣いてるあたし
三つ足で歩くオトちゃんおろおろと眺めるあたし夫に叱られる
すでにもうオトちゃんの足は治っていると医者は言う。なのにケンケン
ポロシャツを着せられたオト今はもう服など要らぬ気ままに遊ぶ
いとおしい愛に餓えたる子犬かなわが腕のなか心音を聞く
複雑な想いのよぎるスーパーよ今日の買い物忘れるところ
もしオトが血統書など無かったら生きてはいない現実のあり
服好きな子犬のミニはオトになり白石オットー小鹿となりぬ
悔しくてあと2,3万送ろうと思ったけれど安値は安値
オトはオトわがやの子犬おきらくにあたしは母か白猫なのか

アングラを飛び出したと思ったらなお深い闇の中へ入りぬ
ジロさんが”白い巨塔”と言ったなら本家本元せせら笑いし
地獄道どこまでつづく闇の中白き雪さえ闇を照らせぬ
薄明かり蒼き世界のしんしんと夜行のバスはスキー場へと
PASSIONの予告編を見ただけで震えてしまうわたしという人
ジーザスの受難を思えと言うけれどそは厳しくてクロスは重い
オトちゃんは悪魔のような耳をして天使のような瞳で食べる
何のため詠うものかと考えて汚染をきらうわたしという人
あまりにも簡単すぎるこころなど死んでしまうは言の葉のゆき
憐れみを憐れみをまた憐れみをPIETAPIETAPIETAPIETA
つきあいがあるとかないとかあほらしくよのなかのことしらないあたし
犬しゃかいとてもうるさく吠えまくるぬいぐるみさえ嫉妬で噛むオト

壮絶な老人介護に生き甲斐をみいだす人の死へ向かいゆく
姑の冷たくされてなお息子いとおしむさま弱りゆく母
おおらかにほがらかなりし賛美歌をいつか書きたい雲雀のように

列王記上 1.38

投稿者 Blue Wind : February 17, 2004 02:44 AM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?