February 16, 2004

オトちゃん、現る

オトは神さまからの贈りものだ。ずっと去年から父さんとおちびが犬を飼うと騒いでいて、自分は世話が大変だからと断っていた。それでも毎週わんわんらんどやペットショップなどへ行き、彼らは犬を探していた。
最初にミニチュア・ピンシャがいいって言っていたのはダンナだ。本当はドーベルマンを飼いたかったらしい。でも、家の中で飼うにはドーベルマンは向かないために、ドーベルマンの子犬のようなミニチュア・ピンシャを探していた。が、これは非常にめずらしい種らしくて、なかなか見つからないらしい。それで、ミニチュア・ダックスにしようとか、マルチーズにしようとか、いろいろ考えていたけど、結局、ウダウダしているうちに今年の春まで待とうということになった。それでも彼らはオトを探していた。
どうして「オト」かというと、特に意味はない。だけど、幻の犬のことをあたしはそうやって呼んでいた。どんな犬かはわからないけど、オトはどこかにいるはずだと本能のように感じていたのかもしれない。

オトは、去年の5月に生まれ、足を怪我したため、今でも少し足を持ち上げるクセがある。歩いたり、走ったりする分には目立たないけど、抱くと右足を少し持ち上げる。そうやって片足の悪い子犬は、足が完治するのを待ち、ガーデンセンターへやってきた。
血統書を見て驚いてしまった。
オトは、とてもじゃないけど、ジョイフルで売られているような犬ではない。(と思う) ただ、足が悪かったために、普通だったら処分されていたかもしれないという過酷な現実を何とか生き抜いてきたわけで、怪我が治り、安値で売られる。ガーデンセンターで人気の犬は、それこそミニチュア・ダックスとか愛嬌のある犬だし、オトはドーベルマンの子犬のようなものだから、そういう意味での可愛らしさはないかもしれない。
(つづく)

投稿者 Blue Wind : February 16, 2004 08:34 PM
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?