May 30, 2005

【今日の短歌】 またひとつ蕾をみつけ灰のそら散りゆく薔薇のなごり風吹く

またひとつ蕾をみつけ灰のそら散りゆく薔薇のなごり風吹く
紫陽花を土掘り植えよ鉢みては弱りて花の甦りたる
水の中歩いているか雨の日はアスファルト濡れ無彩のみち咲く
曇り空つゆを迎える薔薇の花いろどりのみち隣家のフェンス
垣根なら薔薇にしたれとおもはゆくみじかき薔薇の復活を待つ
一年が一夜のごとくくりかえす朱色の柘榴花もちて梅雨

投稿者 Blue Wind : 04:43 PM | コメント (0) | トラックバック

May 29, 2005

【短歌】 一円のクリックを乞うここちする神父のサイトぐっさりと初夏

ボロなのかアフィリエイトは悲しくてボロをまといてブログことほぐ
広告がちかちか並ぶブログには一円玉の落ちない木霊
正直に語っちまえばちかちかと広告かなし乞いてクリック
あわれあわれさうやつて思うわれあほか知っているなら黙っておくれ

大通り役者立ちたる夏の石ひんやりとしてフランチェスコ出づ
ぼろぼろに寄付乞いたるかぼんぼんは何が悲しき物乞いになり
あわれあわれ石畳にぞ無き石の粒飛んできました 冬も夏にも
整然と冷たき石のつづくみち心のみちの厚き壁みち

一円のクリックを乞うここちする神父のサイトぐっさりと初夏

まあいいか、さうやつて今ことほげばジャズさえ軽く聴こえまほしき
あなたよりわたしのほうがあははのはかろきみちさえおもおもあるく

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May 27, 2005

【短歌】 コンクリの家に置かれた畳など黴臭くては風のなき部屋

しましまに流れるもようながむればうつろうばかり時間の流れ
あの星をめざせと言って流れ星星の命の散りゆくばかり
パラダイス地上に浮べシャンパンは泡立つ時間包括しせり

苦しきは神頼みするいにしえは細木数子と祇園の遊び
めでたきは浮世の義理と浮き立てば絵師という名の稼業もありて

リビングにソファを置いてふと思う。わたしの家に畳がないぞ?

芳しき畳の匂いわきたてば草踏み歩く生活のあり
コンクリの家に置かれた畳など黴臭くては風のなき部屋
畳には広き窓辺が必要と爪先までの窓を思いぬ
木の床はもはや風さえ呼ばないと石の床までつきすすむべし

やんわりと時の流れのゆくみちを薔薇咲きたれば五月雨を待つ
残光のながき五月の森のうえ近頃月はおぼろな影に

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May 20, 2005

【短歌】 ちっぽけに露光たる葉のうえは光の世界とどめし祈り

よきひとは神さまだけと書きおれば十字架を背にスケープゴート
退廃に身を焦がしゆき光すら与われたもの真上の空は
のんびりとうた詠みいづる一時に舞い落つる蔓絡ませ小指
鬱蒼と夜は更けぬれば朝は来ぬ天は無情に日は繰り返す
ちっぽけに露光たる葉のうえは光の世界とどめし祈り

屍は綺麗な方がよかろうと頬のしみなど気にしてみては
骨のなかすかすかになる光なき生活を知る骨さえ消えて

意味なきとあらくさの息おとづるる光のなかで骨は生きたる
ゆっくりと庭草のうえ立ちたれば骨育てるか見えない時間
はっとして意味しるべしとことのはをふりかえりても時は戻らず
与われた時生きるべし無意味なる時の意味知る死の淵の声

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【短歌】 無機質に誰がため書かれし看板に燃えるか否かの別れ道あり

だるだるに怠惰な気分つらつらとひねもすはゆくおはなし生活
通り雨、あっという間に陽が射せばキッチン照らす日におどろきつ
白い肌、にしびのじかん、青闇のゆっくりしのぶ立ち話どき
夕顔をたんぽぽの茎に挿しこみし子らのさしだす一輪挿しか

ゆっくりと主婦には主婦のときありし染めし髪さえさしもどりたる
交差するゆるりと土地のつづきたる道を走りぬ猛スピードで
軽やかにうた詠む人は軽やかに話はせぬとすこし学びぬ

まったりと自分に沈む時間には夕陽のようなくりかえしあり

押し黙る機械のような受付をよっこらさっと荷を運びゆく
煙突のすっくと伸びたセンターは想い出さえも粉砕しゆく
リサイクル煙突のなか消えゆかば粉砕の影アルミは積まれ
ゆっくりとぶつ呑み込みし炉のなかへシャベルは埃巻上げ動く
無機質に誰がため書かれし看板に燃えるか否かの別れ道あり

投稿者 Blue Wind : 02:51 AM | コメント (0) | トラックバック

May 13, 2005

【短歌】 土くれに変わり果て生れしあわせはぬくもりのなか死するものかと

『人質女性主人公の「バッシング」カンヌで拍手』
『外相、アルジャジーラ出演へ 救命訴え』

上の2つのニュースを読んで、何となく複雑な心境。
1つは、今開催されているカンヌ映画祭で、高遠菜穂子さんのイラク人質事件からインスパイアされたという小林政広監督の「バッシング」が上映されたという記事。もう1つは、現在進行中のイラク人質事件の記事。

比較してどうなるんだろうというわけでもないけど、高遠さんの場合はボランティアでイラクへ行き、しかも自衛隊のイラク派兵についての反発からか3万人のデモが集まったし、政府もそれこそ全力投球。無事に釈放された後の政府の対応も冷たかったし、バッシングまで発生する日本社会。亡くなった香田証生さんの時には、「どうしてそんなところに・・」という雰囲気が充満していた。

今回の斉藤昭彦さんの場合は、お仕事らしい。そうなると報道自体にも冷たい世論。

これが日本なんだよなーって何となく感じた。

******

鬱蒼と晴れ間もとむる霧雨の夜通し続くつくば根の春
バッシング独りが楽とうた詠みは子犬の声に呼ばれ俯く
地獄絵図知りたくもなし霧雨は梅雨寒のごと陽を隠したり
雨なくば今が春とは思えぬも13日は金曜日なり
イタリアの13日の金曜日陽は明るくて眠りゆくひと
みもとにはやわらかき陽のさしたればうつらうつらと無にねむりゆく
大波に揺らるる舟の戻りなば次ゆく舟のいづこに浮ぶ

時事詠に行こうと思ったけど、自己中は直らない。

社会って映画に映る人生の頑ななまで覆わるる布
知らぬなら知らないうちに過ぎゆかばめぐりゆく花散るもうるわし
知らぬなら今の世界がすべてだと海の果てには魔物の巣あり
ひっそりと島に暮らしぬ敷島の春は梅雨寒紫陽花を待つ
イラクよりマリのいたずら手を焼けば狭きわが家が彼女の世界
オトくんは玄関見張る番犬にマリは膝うえ隠れておりし
遠くへと旅立つよりも家の中公園散歩子犬のワルツ
土くれに変わり果て生れしあわせはぬくもりのなか死するものかと

犬に人生を学んでいる、わたし。

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【短歌】 雲の数いくつあるかと見あげてもいくつあるかと風は吹きぬけ

■藤田千鶴さんの日記を読んでいて
雲の数いくつあるかと見あげてもいくつあるかと風は吹きぬけ

*****

淡き人濃い人といふ境目は水平線の青の彼方に
青青と空と海との境目は地球の色の遮るばかり
海の上陸の上かと思っても地球の上はまあるい世界
ぽっかりと在るものは在り見えざらん季節の色がぽっかり光る

マリちゃんをひとまわりだけ大にしておてんばマリアつなぎしいのち
失って生れこしいのちめぐりくる季節のようにつながれし糸
谷底へ向かっていたが山風は吹きあぐるようふたたびマリア
ぽっかりと抜け落つる時つながれて何事もなくつむぎゆく日々
垂れ耳のマリアは死んで反り耳のマリアの来る今宵は更けぬ

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May 12, 2005

【トラバ返歌】 季節はめぐる

麗。さまへのトラバ返歌

夏日和 「終わったのね・・」 と、君が泣く 不倫オトコの 気持ちになれた(麗。)

冬靴と夏のサンダル・・・
履き替えるのは当たり前なんだけど、そんなこをと感じるあなたって。
冷たくもなれない人なんだ。

ゆるせるかゆるせないかとまどろんでめぐりゆく傷うめる間もなく(しらいし)
夏来れば冬はめぐりぬ春の陽に紫陽花めでる五月の風に(しらいし)
家のなか昼寝しおれば春風も流るる雲に陽をしのびおり(しらいし)

投稿者 Blue Wind : 01:56 PM | コメント (0) | トラックバック

May 10, 2005

【今日の短歌】 はかなげに小さな葉つく紫陽花は花に埋もれて身の細き芯

水田の鏡のように輝けば紅の時間のうつそみの海
あかあかといつまでつづく落つる陽にすれちがふ車のたえることなく
おおあくびひとつ落としぬあかあかとまどろみのみちうねうねつづく
春の色茜射す日のおとづれにいくど通った筑波の山見
アスファルト ガードレールのつづくみち 筑波の山に浮ぶ雲みし

オレンジの輪郭の月くつきりとみかづきの刃に空は割られつ
低空に浮ぶ刃物かみかづきは落ちつ割られつ夜はちかづき
春の陽はいまいましくもみかづきに色残しつつまどろむなかれ

鉢植えはプライスダウン紫陽花の満開な春庭に落としぬ
はかなげに小さな葉つく紫陽花は花に埋もれて身の細き芯
浮き雲の紫陽花いろに染まりゆく夕は散る華浮べし円


紫陽花色の空を見たので、紫陽花の鉢を買ってきました。

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May 08, 2005

【短歌】 母の日慕情

母の日を複雑に思ふ母の数子らより多く花あまりたる
こころより感謝してるか母の日は問われてむなし寝たきりと鬱
母の日は鬱々とした声のする西の方角陽は落つるかな
鬱蒼と肩車するおもいよす母なだめよす子らも母なり
子もなくば母だにありき朗朗とめぐりつ人の隔絶もよし
母の日をウキウキ過ごす吾子なればこの日もひとつつくられ日和
失われすぎし思いの肩車父の背だにがくるくるめぐる

投稿者 Blue Wind : 12:05 PM | コメント (0) | トラックバック

May 07, 2005

【トラバ返歌】 春なのに

きのこさまへご返歌

てふてふの呼び名変わりて蝶と成り飛び回るかなビルの谷間に(きのこ)
時代ってコンナモンカと不精にもタバコふかすも蝶はいずこ(きのこ)

ビル風の吹きすさぶみちさわさわと街路樹の葉と埃舞ふ丘(しらいし)
紋黄蝶紋白蝶の飛ぶみちを網もちあゆむ夕暮るるまで(しらいし)

投稿者 Blue Wind : 11:16 AM | コメント (0) | トラックバック

【短歌】 時代ってナンダロウカと無情にも興味なさそに陽は翳りゆく

霜凪ぎに超空のうた聞きたれば戦死者のうへ雪被らんと
いにしえに死は落ちたるかそらの雪 春のみそらに白雲浮ぶ
かえらざる月日の中でなにもかもすぎゆかば父 雲のうへかな
こころだにつたえゆくかなあの雲はひとり流れて風をさがしぬ
ちつぽけな置手紙読むここちする超空の書とアイス珈琲

みそらにぞ春うららかに春を思うわかばそよぎぬ夜も更けゆかば
まつたりとわかばマークのうたよみはちいさな夜を千夜に思ふ
時空とはのびてちぢんでこごまつてすすんでにげてまたあつまりぬ
はらはらとうた詠むもよしひらひらと落つるもよしと春めく夜は

もうそこはうららな春の園の見えほのかをる花めでるもよしと
霜凪ぎのうた朴訥と戦死者はいづこに眠る、天に召されて。
春の園うららかにして花咲けば世はいづこへとつづくらむとて
まつたりとめぐりゆく日の遠かりし死もむなしけれあめふる今宵
生き残りいのちめぐりて花咲けば花は散るらむそして花咲く

時代ってナンダロウカと無情にも興味なさそに陽は翳りゆく
芝の色濃くなりもする日没はかすかな橙のにじむ空間

投稿者 Blue Wind : 01:59 AM | コメント (0) | トラックバック

May 05, 2005

【今日の短歌】 学生街すこしくゆらす退廃はえにしだの棘ものわするかな

風邪ひきて微熱のやうな春風に吹かれて今は半袖を着る
剪定の鋏を入れる吾子(あこ)ながむ思い切りよく勢いの音
ボウリング12ポンドをかろがろと投げてしまふか小柄な吾子は
夫(せ)の刈つた濃淡の色芝草は刈穂の稲のミニチュアのごと
つつじ咲くあざやかな紅そろえたし忘れて去年(こぞ)のコンクリを浴び
ゆらゆらと芝生のうえの水仙は葉だに繁らす工事の瑕か
薔薇の花あきらめていし去年の夏葉は生い茂り今宵の晩は
やきとりに備長炭のかをり立つ春のゆうぐれ休みは速き
静止した時間のなかにとどまればパンパンパンと手の鳴る昼間
学生の立ち並びたる夜のみちお好み焼きの店の前過ぐ
真夜中も変わつてしまつたわが町はのほほのとしてつくばねの春
学生街すこしくゆらす退廃はえにしだの棘ものわするかな

投稿者 Blue Wind : 02:19 PM | コメント (0) | トラックバック

May 03, 2005

【トラバ返歌】 すぐに夏になりそうな日

■ きのこさま へご返歌

たてよこに並んで暮らす人波もまるい天にはくずさるる砂 (しらいし)
北風のふきやみ間もなく燦々と照り衣脱ぐ砂沙の影(きのこ)
木陰にぞ涼むあらくさふつふつと細波よするわかくさの春(しらいし)

ひねもすのわかれゆく葉の舞いたれば紅きカナメの東陽のごと (しらいし)
若草の凪ぐ音香り夢にぞか凸うつつの多事流るる窓辺(きのこ)
窓辺よする陽射しまばゆく暗がりもまばゆさのゆえしばしとどまり(しらいし)

リコメンド比べてみれば幽かなるアブかハチかと瞬時影みし(しらいし)

投稿者 Blue Wind : 04:25 PM | コメント (0) | トラックバック

【今日の短歌】 金木犀わかばわかくさ芝よりもすきとおる葉のかすかにゆれる

おてんきが悔しいほどに風邪ひいたゴールデンウィークサウンドを聴く
おてんきが悔しいほどに若葉色わたしの道路のっとっている
風邪ぐすり目薬よりもてきめんにまぶた落としぬ落陽のごと
今は昼、さっきまで朝、いつのまに休みはおわる風邪なおらない?
ゆとりある吾子のどらいぶ海浜は潮風吹いて、われ家にいる。
うつらうつらおてんきのよい春の日にことりは鳴くがわたしはネット
昼さがり暑いよ外は真夏かも。いえいえ今は百合も眠りぬ。
金木犀わかばわかくさ芝よりもすきとおる葉のかすかにゆれる
けたたまし風鈴の音ひびきたる庭からの風かをりむなしき
けだるさも風邪のせいかとこもりうた響かせている風鈴の音

投稿者 Blue Wind : 04:23 PM | コメント (0) | トラックバック

【短歌】 Jesu, My Friend.

Apart from the cross
there is no ladder
by which we may get to heaven.

十字架を離れては
天国へ
昇るはしごは
ないのではないかと。


寡黙にぞ微笑んでくれそらのいろ天使のはしご降りくるまで
ゆうだちのうつくしくあれ雨のそら天国のみちふうわり浮ぶ
笑み浮ぶみそらの父のかなたには大きな虹も窓のらくがき
みちしるべ大地にねむる十字架の四方の風かな空間にあれ
たてよこに並んで暮らす人波もまるい天にはくずさるる砂

投稿者 Blue Wind : 12:14 AM | コメント (0) | トラックバック

May 02, 2005

【トラバ短歌】 うつるんです、こういうのは・・・

くるくるとからまわりするすいしゃごやくるくるまわりいやまわらない
ながれればながれるやうにながれだすほしだっていまながれていくよ
ひらがなはかんじをきらっているやうであたまをよぎるられつのあらし
きーぼーどあらわるるもじながむればおっひらがなだへたくそなうた

⇒うめぞうさんの頭の中をのぞいているうちにふいに。

投稿者 Blue Wind : 11:38 PM | コメント (0) | トラックバック

【今日の短歌】 ひねもすをひとつ気にしてあゆむなら空は自由と鶯は笑む

残光の呼ぶまま光みつめればこだま響きぬ森の鶯
気まぐれに学生のない森のなか独り占めして鶯の声
ちびちびとあらくさの芽をつまみては小さな花の一つ咲きたる
活性のよぎる春庭あわただし耳澄ませれば風に鶯

風邪ひいてのどの痛みに春を思う。休みだろうにけだるさはゆく。
落ちるならここまで落ちるランキングさつぱりとしてブルーをながむ
ひねもすをひとつ気にしてあゆむなら空は自由と鶯は笑む

鶯は遠くわらった少女のよう声響かせて風にとけゆく
けたたましホケキョにつづくながきホオ耳を澄ませばまたけたたまし
ゆらゆらと草はゆれるよ風のみち少女のわらい森をかけぬけ
春は萌え春というだけで笑い出す少女の笑みは森の鶯

柘榴にも紅い若葉の萌えいづる春の想いは白い雨雲

投稿者 Blue Wind : 04:08 AM | コメント (0) | トラックバック