■藤田千鶴さんの日記を読んでいて
雲の数いくつあるかと見あげてもいくつあるかと風は吹きぬけ
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淡き人濃い人といふ境目は水平線の青の彼方に
青青と空と海との境目は地球の色の遮るばかり
海の上陸の上かと思っても地球の上はまあるい世界
ぽっかりと在るものは在り見えざらん季節の色がぽっかり光る
マリちゃんをひとまわりだけ大にしておてんばマリアつなぎしいのち
失って生れこしいのちめぐりくる季節のようにつながれし糸
谷底へ向かっていたが山風は吹きあぐるようふたたびマリア
ぽっかりと抜け落つる時つながれて何事もなくつむぎゆく日々
垂れ耳のマリアは死んで反り耳のマリアの来る今宵は更けぬ