よきひとは神さまだけと書きおれば十字架を背にスケープゴート
退廃に身を焦がしゆき光すら与われたもの真上の空は
のんびりとうた詠みいづる一時に舞い落つる蔓絡ませ小指
鬱蒼と夜は更けぬれば朝は来ぬ天は無情に日は繰り返す
ちっぽけに露光たる葉のうえは光の世界とどめし祈り
屍は綺麗な方がよかろうと頬のしみなど気にしてみては
骨のなかすかすかになる光なき生活を知る骨さえ消えて
意味なきとあらくさの息おとづるる光のなかで骨は生きたる
ゆっくりと庭草のうえ立ちたれば骨育てるか見えない時間
はっとして意味しるべしとことのはをふりかえりても時は戻らず
与われた時生きるべし無意味なる時の意味知る死の淵の声