June 24, 2015

売春婦、ひまわりにして夏の空神父の腕を止まり木にして

売春婦、ひまわりにして夏の空神父の腕を止まり木にして

侮蔑とは目をそらしたる聖職の十字架の下、眺むる吾にか

バカバカしああバカバカし老婆の園のバラの木の枝

神さまに礼状書けと自慢げに懐を背に誰に渡すぞ

飛行機代 出せば受け取り 少ないね そのひとことにけだるさの牛

<福島>

ガイガーの数字の向こうに群れなすは飼い主のない牛、ひだまりぬ

中学に熊がいるとのアナウンス無人となりし駅舎の空に

爪痕も無人となれば劇場のセットのような駅前通り

住宅地 なだらかな丘ひそひそと身をひそめたるカフェで飲むお茶

窓あけて窓しめて外流れゆく景色の中に昔みた店

町役場 立派になりて気がつかず消えた百足家城のようなり

歳月の流れゆくまにふくしまは世界の人の知るぞ田畑も

(歴代誌上 3. 1-9)

投稿者 Blue Wind : June 24, 2015 04:28 PM | トラックバック
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