蒲公英の咲かぬと想(も)えば蒲公英のくき短きは一頃の春
憤怒とは来ないだろうと赤い櫛引き出しの中残したるゴム
不幸とは不幸のうえにあぐらかき人騙す春、聖護りの下
マリア像たたずめばそこ開けたればなお激しきは余韻のごとく
憤怒とはいずこともなくやってきて雨風の音聞こえぬ小声
暗がりに家族待ちたる旅人は郷里の名さえ戻れぬことば
中指のバンドエイドのキティさえ気に留める者なく春の下
煉獄でいつまで待つと夕まぐれ問われるほどに日が延びゆかば
(ルカ 5. 27-32)
投稿者 Blue Wind : April 22, 2009 11:39 PM | トラックバック