April 22, 2009

煉獄でいつまで待つと夕まぐれ問われるほどに日が延びゆかば

蒲公英の咲かぬと想(も)えば蒲公英のくき短きは一頃の春

憤怒とは来ないだろうと赤い櫛引き出しの中残したるゴム

不幸とは不幸のうえにあぐらかき人騙す春、聖護りの下

マリア像たたずめばそこ開けたればなお激しきは余韻のごとく

憤怒とはいずこともなくやってきて雨風の音聞こえぬ小声

暗がりに家族待ちたる旅人は郷里の名さえ戻れぬことば

中指のバンドエイドのキティさえ気に留める者なく春の下

煉獄でいつまで待つと夕まぐれ問われるほどに日が延びゆかば

(ルカ 5. 27-32)

投稿者 Blue Wind : April 22, 2009 11:39 PM | トラックバック
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