ただ寒き風の向こうに打たれたる枯れ芝のうえ飛び乗ってみる さむぞらに頬染め歩く霧雨の傘の下にぞあどけなき頃 雨の中閉め忘れてた扉にはキーの音だけかわらまわりする 四角くてまるい顔してくしゃみするこいぬにはまだ冷たい季節 てのなかをくるりぬけゆくこいぬには袖のなかさえ進みゆくみち