だんだんうちのダンナの気持ちが理解できるようになってくる。要するに、生涯白衣を着て診察室に座っているためには自分の診察室をつくらなければならない。それはリストラとかポストというニュアンスとは違う。
例えばね・・・老健施設の院長とか、保健センターの所長とかさ。誰もやりたがらないような仕事はある、爺さんになっても。
なんでやりたくないかって?
だって誰でもできるような仕事だから・・・デスクワークのほうが多いし、若くて、技術を磨きたい、最先端の医療をやりたい、という医師がそういう仕事を好まないのは当たり前。
が、しかし・・・・だんだん年を取ると、体力も衰えるし、新しい技術を習得するのも困難になってくるし、とても若い医師にはかなわなくなる。そうなると病院経営とか福祉とかさ、人を雇って借金してマネージメントをして、となると何のために医者になったのかわからないでしょ?
個人でやっていれば個人事業主、法人にすれば役員報酬、の世界。例えば、専従者ということで考えると、白色なら86万円の控除があるだけ、青色ならクリニックで30万円くらいまでの給料、それを法人にすると理事、という具合にわたしは出世する。ダンナのサラリーだけを考えたらさほど差がない。だって儲かっても税金だもの。
だからさ・・・・「奥さんはどのようにお考えですか」という具合に、何の資格もないわたくしに問い合わせがくる。
ここで、上品に育てられたわたしは、「主人が働いてくれたら充分です」と答えればよいことを知っている。
ところが、世の中の風潮を考えたら逆だもの。家で遊んでいると何もしないとか能無し扱いをされてしまう。なんせ「くたばれ専業主婦」の世界ですからね。
で、ダンナがどういう風に考えているかというと、デスクワークにまわるより、診察室に座って患者さんを診察していたいと言う。
そこで、誘惑が入る。
院長夫人とか、所長夫人とかさ。小さな診療所の受付に座って青色で働くか、病院建てて役員報酬の世界を選択するか、とか。
・・・・・・・・・・マネージメントは好きだけど、借金を背負わされて借金返済のために働かされるのはお断り。内科の診療報酬リストを眺め、その範囲内で計算すればどの程度の規模でやったほうがよいのかわかる。町医者で顔の見える診療のほうが人間的。
ラテーノは働かない。
投稿者 Blue Wind : October 15, 2005 12:15 PM | トラックバック