September 10, 2005

シンプルなバランス

人生はシンプルなほうが楽しい気がする。何のために働くのかと言えば、生活のため。何のために勉強するのかと言えば、天井を高くするため。何のために民間病院で働くのかと言えば、生活のため。このため、大抵の国立系の医者は、半年を民間病院で働き、半年を大学で過ごす。中には、2,3年開業したと思ったら、店を畳んでアメリカへ留学。なんてわかりやすい世界だろう。

営業のことだけ考えるのなら、昔の開業医は店を休むわけにはいかない、というのが常識。開業医でなくても、旅先でも呼び戻されることも当たり前だった。ところが、今はそういう時代ではない。「私は風邪の患者は診ません」という医者も案外多い。

高齢化社会の現実というのは、単なる風邪でも家族が家では看れないから入院させてくださいと年寄りを連れてくる。体力がないから肺炎にでもなったら命取りだし、寝たきりの人を毎日通院させるのはあまりにも家族の負担が大きい。だから、入院させてくれ、という。民間だったらベッドに空きがあればとりあえず入院させてくれるだろうけど、このため国立の大学病院では紹介状がなくては診察もしてくれない。

官と民の違いってそんな風。うちのダンナは感性が民だから、案外、患者さんから好かれる。面倒見のよい医者のほうがいいでしょ? それでいていつも最先端を求められる土地柄でもあり、両方に良い顔をするのは非常に負担が重い。医者にも好みがあって、天井高く研究をやりたいタイプもいれば、民に徹して金儲けしたいタイプもいる。バランスか、あるいは時系列的変化により、補い合うしかない。

根底に生活があり、子どもの世話や地域のことやら目配り気配りがないとね・・・昔の人たちはそういうことは奥さんに任せきりみたいな人も多かったけど、今はそういう時代ではない。

投稿者 Blue Wind : September 10, 2005 04:48 PM | トラックバック
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