日曜日の昼下がり。
あまりの暑さに、結局、梯子を買いに行くのを諦め、1時間くらい『アートバイブル』を眺めていた。人生は短いから一生懸命に聖書を読むより、絵本を眺めるようにバイブルを読むほうが優雅かもしれない。
聖書にも書いてあるではないですか・・・マルタとマリアの話。一生懸命にお客さまをもてなそうとマルタが働いているのに妹のマリアは何もしないでイエスとお話している。当然、姉としてはムッカーッとする。そこで、イエスに、愚痴。ちょっとはマリアに働くように言ってやってくださいな、と。ところが、イエスときた日には、「マリアは素晴らしい選択をした」と、こうですもの。
要するに、日曜日にせっせと梯子を買ってきて働くより、聖書でも読んで怠けているほうがみこころにかなっているらしい。
『アートバイブル』が聖書として素晴らしいかどうかはともかく、これだけ名画が並んでいるのも爽快。それでいてこのように名画の羅列を眺めていると、今さらながらエル・グレコは少年漫画のようで面白い。どこが違うのかといえば、やっぱり顔だろうな・・・聖書の中の登場人物が今でも何か言い出しそうな顔をして並んでいる。その表情の豊かさというか、ユニークさはグレコのチャームポイント。
ヴェロニカ ブリューン・デ・オーサ, Veronica de Bruyn‐de Osa, 鈴木 久仁子, 相沢 和子
エル・グレコの生涯―1528‐1614神秘の印
■ネットで鑑賞できるエル・グレコ
『聖衣剥奪』 (トレド大聖堂)、『聖三位一体』 (プラド美術館)、『受胎告知』 (大原美術館)、『オルガス伯の埋葬』 (トレド、サント・トメ教会)、『悔悛のペテロ』 (フィリップス・コレクション)など。
投稿者 Blue Wind : July 17, 2005 05:07 PM | トラックバック