June 24, 2005

【短歌】 山のいろ森のいろより青ければ一本道をただ走りゆく

竹篭の小さなバスケ抱えては幼子のわれ砂利道あるく
子ども用バッグ売り場の色違いトッポジージョは最後に笑みし
暗がりのオイルショックの言の葉はさびしき雪の祭りにぞ聞く
山のいろ森のいろより青ければ一本道をただ走りゆく
林道の清流の音におびえたる丸太のうえは父の背に乗り
滝の道林の奥の木陰にぞまあたりにする白き水音

リカちゃんの家をつぶすか弟はおむつの尻をどすんと落とし
リカの椅子壊れてみれば発砲のスチロールだに広がりてあり
人形の家のまどりの深ければ紙のうえにぞ階段はあり
ささやかにプラスチックに変わる椅子リカの豪邸ピンクの箱に
くちゃくちゃにセルロイドさえ捨てられし小さな世界ドールの箱に
人形の髪の匂いのおもちゃ箱よごれたあしの靴は消え失せ

二重窓つららの音のなつかしき窓の外には雪の標本
どっさりとつららの落つる物音はしずかな夜もまばゆき昼も
雪のうえよじのぼりては2階まで屋根はつづきぬ雪落とす冬

春の道泥にまみれた残雪は嫌われ者のうずくまる水
ぴしゃぴしゃと急激な春おとづれし北の国にはすきとおる空
真っしろき雪の世界は淡き青かすかな空の地に広がりき
あしあとを残してみれば長靴に雪詰め歩くポプラの小道

投稿者 Blue Wind : June 24, 2005 02:43 AM | トラックバック
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