June 13, 2005

茶の間ノベルズ

いまどき、「純文学かライトノベルか?」などと悩むほうがどうかしていると思うんだけど、正直、わたしの年になるとさすがに子どもの頃にはのめりこんだマンガやアニメにも興味がなくなるし、さすがにわたしの年でコバルトブックスなんて読みません。もっぱら世代交代して、その手の類の代物は娘の手へ。そういうのはライトノベルでも直木賞が出たとか出ないとかそういうことではなく、興味の問題なんだと思う。

どうしてそのようなことを突然思ったのかというと、久しぶりに村松恒平さんのメルマガが届いたから。今回はライトノベル作家を目指している人が質問者。

質問者によると、どうも彼は対人恐怖症で、ネットで小説を発表し、そこで得られる批評にのめりこみすぎているきらいがあるらしく、今回は回答者である村松氏もかなりシビア。ライトノベルに対する批判・評価の変化まではともかく、ネットというものが単に嫌いなのではないかと思えるほどシビア。

たまに思うんだけどね・・・
混同するなって。

わたしね、家でネットをしていて何が一番いやと言って、うまく説明できないけど、外へ出ないことを指摘されること。ほんじゃ、わたし以外の専業主婦の人たちが一日中出歩いているという話はめったになく、大抵は家事や育児、たまに習い事やPTAで外出したりする程度。そういう余暇を以前はテレビや読書に当てていた人たちが多かったのではないかと思うけど、今の時代はネットがあるから「たまたまネットをやっている派」という人も多い。

そういう家庭の主婦の情報源が大昔は一家の主だったのかもしれないし、今はテレビや新聞・雑誌、それにインターネットが加わっただけ。ほかには読書とか?

本があまり売れなくなってきた背景には、実はネットの手軽さがあるのかもしれない。それはしみじみ思った・・・テレビで花田家のインタビュー・シーンが放映されるとそれに関する記事がど〜っとネットに出没する。そうすると、正直、テレビを観たり雑誌を買ったりするより、ネットをサーフィンしているだけで満腹状態になる。しかも食べすぎ感も。

今回、ネット書評についても村松氏は厳しい。

わたしにも身に覚えがある。読んでなくても記事にはできるから。もっと酷い場合にはネットだとアマゾンのレビューだけを並べてもコンテンツになってしまうし、それでも立派な本の紹介ページにはなるだろう。そういう感覚ってどこかテレビの影響と言えなくもない。あるいはショッピング・カタログとか?

わたしはたまたま時間があるので、読もうと思えばじ〜っくり純文学と戯れることも可能。でも、正直、5年前には無理だった。理由は子どもが小さいから。

すごくバカらしくなっちゃうんだけどね、わたしがスリランカへボランティアに行くなんて不可能です。ダンナや子どもを棄てて行くわけ? ダンナはともかく娘が小さいうちには長く家を空けるなんてことは無理。留学するにも子連れの時代。

かといって、この前からダウンロードしようかどうか迷っているんだけど、そこまでの時間は無さそうなのでそのままになっているゲームがある。

慶長さんの『WASHINTON 通信 2.1』で紹介されていた国連が作成したゲーム

これはネタ元の記事を読んでいただいたほうがわたしが駄文を書くよりわかりやすい。つまり・・・・食糧支援がこんなに大変な仕事だなんて想像もしていなかったから、たしかにそういう意味ではクリックするだけのサイトなんて意味はないかもしれないとすら感じてしまうほど。それでいて本当の趣旨は、わずかでもそういう大変さを伝えることがさらに大変だから国連もこんなゲームを作成しているのだろう。

手頃な情報伝達や手軽なボランティア活動はネットの良さである。世の中にはヘビーな活動家も多いけど、それでいてそれを支えているのは実は茶の間の普通の人々。そうやって茶の間に座りながら、ネットをやっていてどこが悪いのかなーってたまに思う。

わたしが混同するなと言いたいのは、そうやって茶の間に座っている人たちにも生業があり、その人たちすべてが対人恐怖症で作家を希望しているわけではないし、自分でボランティアに行く気がないからクリックだけしているわけではないということ。

なんかさ・・・・
カチンとくることが多くて。
その大半は、実際に行って何かするわけじゃないとか、リアルとかバーチャルとか、作家で飯を食うとか食わないとか、舞台とか店とか。
ぷわ〜っと退屈になる話題ばかり。

まあ、たしかに実際に自分が取材したわけでもなくてもぷわ〜っと広がるネタ。読んだわけでもないのに紹介される書籍。つまらない情報ばかりが飛び交う。それでいて世の中はライトノベル。ネット。ゲーム。

そういう時代なんだよなぁ・・・・

投稿者 Blue Wind : June 13, 2005 11:35 AM | トラックバック
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