March 30, 2005

【今日の短歌】 球児には地元の子らのつどふかと遠くの園は埋め尽くす庭

目を閉じてまどろむなかれ春の夜はめまぐるしくも文字(もんじ)流れる
春の陽はすこしなつかし青き日のわだちのうへをあるく想ひ出
桜には花だに揺らす春の風葉の生ひ茂るひかり待ちつも

陽だまりに自転車ならびすくすくとゴーカート走るコースのやうに
陽の中におしすすみゆく背中には開放感を乗せゆくか子ら
まぶしげに自転車漕いでゆくみちはいづこへつづく春休みかな
すくすくと葉の生い茂りぼんぼりをかそけく揺らすあらくさの庭

すこしずつ見あぐるやうな水仙は首を揃へて森の香に生(あ)れ
かしぐまでならびゆく花今日もまた鮮やかな黄を覗かせている
少しずつ濃くなりゆくか春の花わたぼうしにぞ飛びゆく風に
おとづるる春の匂ひを待つ風も身を潜めたり弥生の終はり

桜なら今が描き頃一筆にちりばめた花ぱつと散らせと
微笑んで咲いてるやうな一本の気の早い木はいつ散るのだらう
陽だまりは一つの景色つくりだし桜の花をつくりだす道
歩道には待ち合わせする吾子の立つ勢いの手に時を覚えり

カーラジオ断片の声聴こえては甲子園すら終わりゆく負け
球児には地元の子らのつどふかと遠くの園は埋め尽くす庭
子らの夢ちかくも春はカーラジオ深深としたまどろみのみち
うららかに過ぎてゆかんかこの春は水仙の花顔を揃えり


人口が少ないっていいね、何となく。

投稿者 Blue Wind : March 30, 2005 01:17 AM | トラックバック
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