March 21, 2005

男の2人旅

近頃、地球が狭くなったせいか、旅先で日本人を判別するのが次第に困難になっているのを感じる。例えば、バリ島でもちょっと大きなホテルへ泊まったりすれば、以前はこのノリは日本人のツアー客だろうと思っていたのが、近頃ではそれが台湾人のツアー客だったり、韓国人カップルだったり、日本人は意外に小さくなっている。

だったら本家本元?の日本人はどうしているのかなぁ・・と思ったら、シンガポールのバーで合席になり、香港人のOLをナンパしていたり・・・日本人の連れだから日本語が通じるかと思ったら通じない。

究めつけは、イタリアの電車の中かも。急行以上の速い電車(インターシティのことだろうか?)はコンパートメントに分かれていることが多いので、娘と2人で優雅に座っていたら、どこからともなくイタリア人の若者のグループがやってきて、しきりに日本語を話せるかと訊くのでうなずいたら、一人のオリエンタルなヤツを連れてきた。

すると、ちょこんと座ってね・・・「プレーゴ、プレーゴ」とリーダーのようなイタリア人に言われてわたしに話しかける。しかも何を勘違いしたのか、英語で話すものだから、わたしはてっきり彼は中国人かもしれないと勘違いし、英語で返してやった。すると、イタリア人は英語が苦手なので、黙って聞いている。

ラ・スペッツァへ行きたいらしい。ミラノからセストリレバンテ行きの電車は途中までしか行かないため、乗り換えなければならない。それで、みんなはジェノアで乗り換えろと説明しているのだけど、どうしてジェノアなのか彼には通じないらしく、仕方がないのでわたしはバッグの中から地球の歩き方と日本語版のトーマス・クックを取り出し、時刻表で説明しようとした。

「日本語、話せるんじゃないですかー」

と、いきなりおバカが言った。先に英語で話しかけてきたのはそっちだろーと思ったんだけど、近頃の日本人は英語が上手な人が多いため、わたしには彼が何人なのかもはや判別できない。もしかすると韓国人かもしれないし・・・中国人の可能性が高い。

その後彼は連れがいるというので、その連れを見たら、男だった。男の2人連れだと分かっていれば最初から日本人だと思ったかもしれないのだけれど、連れのほうがほかのイタリア人たちに紛れて黙って座っていたため、イタリア人もオリエンタルも全部まとめてユースのグループだと勝手にわたしは思いこんでいた。

雰囲気なんだろうな・・・おちびに至っては、「パッパ、イタリアーノ?」と訊かれる。そうやって言われると、イタリア人と日本人は似ているために、ビーチで遊んでいる娘を眺めていると、後姿だけでは何人かわからない。特にビーチはみんな日焼けしているし・・・やたら色白だったら日本人の可能性が高い・・・アジアン・ビーチを思い出す。

それにしてもなんて言ったらいいのだろう・・・ミラノのドゥオーモの前のカフェで男同士で座っている汚い若者はすぐに日本人だと分かるんだけど・・・そういう判別の仕方ってどこかせつない。



著者: Thomas Cook Group Ltd., 地球の歩き方編集室
タイトル: トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表 (’05初春号)

投稿者 Blue Wind : March 21, 2005 02:57 PM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?