なんだかなとてもふつうがまぶしくてもどかしすぎる狂った果実
朝霧につつまれながらカラス鳴く電柱のうえみあぐるように
花咲けば髑髏のかたち思うようなガラスの破片散らばる渦に
松明をつよくなりしとかかげれば夜は明るき闇はとどまり
マグダラのマリアかそけきパリの路地灰色の街青い服あり
激しさも燃えゆくほむらゆらゆらとおとづるる人背の数ながむ
太陽は燃ゆるばかりに輝けば赤道のうえぽかりと消える
消え失せろ夕凪せまる海の色黄金の波いつまでもみる
ヨハネによる福音書 19. 28-30 イエスの死
愛の色いくつ変はりてうつろへど十字架のうへわがひとのあり
罪の色いくつ変はりてうつろへど十字架のうへわが神の愛
誰がために鐘は鳴るのか朝は来ぬ浮かれる鳩は群れつ飛び立ち
パラダイス黄金の波きらめけば突き刺すようなまばゆき夕陽