わたしの世代って、ヘンなやつ、たくさんいた。
その代表が、アレフの上祐さんとか、多重人格の宮崎とか?
すべてがそういう人たちばかりではないよ、もちろん。でも、ヘン・・・
例えば、ジャズ親父は、親に恵比寿にマンション買ってもらって住んでいるのに、成田で火炎瓶を投げていたとか・・・軽くは、実家が裕福で、バイトなんかしなくてもいいと思うのに、朝から晩まで大学さぼってバイトしてはサーフィン三昧なんていうのは軽い部類だったと思う。
まともな人たちは、まともだから、なんて言ったらいいのかわからないけど、まともな選択をしながら生きていく。その一方で、フリーターというわけではないけれどもなんせ社会に職と金があるから、わざと大学を留年して遊んでいる人なんて朝飯前。
大卒の初任給が、外交官で8万円、商社で11万円くらいだったのかな・・・忘れた。証券会社へ勤めたらいきなり20代で年収1500万とかね・・・そういうのも当たり前。その一方で、安い初任給、値上がりする土地、一生家なんて買えない・買わないという人たちも多かった。
そのくせ、学生が億ションに住んでいたり・・・家賃を払うより買う。そうすれば卒業するまでには勝手に値上がりしていく。そういう時代。広尾にガーデンヒルズができたとき話題になった。でも、中は普通のマンションだと誰かが言っていた。
あの頃、誰がそういう社会がこっぱみじんこになるなんて想像していただろう・・・
それで・・・・なんとなく理解できた気がする。
わたしは、今の時代を知らない。
気がつけば、ここは公務員の街。しかも、多くが国家公務員らしい。家賃1万で官舎に住んでいたら、世の中のことなんて関係ないのかも。うちは公務員ではないから、そういうわけにはいかない。それでも、皆が一生懸命に商売をしている土地柄ではないから、そういう喧騒には程遠い。
昔、誰かが言っていたけど、経済の良い時代に研究者になろうなんていう連中は、それだけで変わり者らしい。つくばだったら農家のほうが桁違いに裕福だもの。いまだに常磐新線が通って、いきなり資産が46億円になってしまったとか騒いでいるし・・・そうなると、東京でサラリーマンしている子世帯が戻って来るとか来ないとか、親子でどんぱちしているらしい。
この街では、どう考えても研究者のほうが偉いような気がする。それでいて、金という点では研究者が一生働いてもかなわない植木屋・左官屋・土木の人たち。例外もたまにあるのかもしれないけど、めったにないと思う。それでいて地元の主な産業が研究所だったとしたら、やたらと高くなる学歴。兼業農家って言ってもなぁ・・・何かどこかが狂い始めている。
それでいて、資産が何億もあるだろうにゴミ収集車の運転をしているおじさん。税金のためらしい。よーわからんのよ・・・ここにいて、何かを考えようとすると、自分のほうがヘンになりそうで。
たまに思うんだけど、もしかするとよい意味で狂わされているのかもしれない・・・
しまいにはロケットだの気象観測台などのオブジェがその辺に転がっていたりすると、すべてがどうでもよくなる。高エネ研に勝手に入り込んで遊ぶ子どもたち。背筋を伸ばして自転車に乗る中国人研究者の奥さん。ペラペラペラペラ早口で日本語を語りだすアフリカ人研究者の奥さん。娘の最初の友達が、ナサトくん。NASAに研修に行っていた頃に生まれたかららしい。日本人より日本人的な台湾人の医者。日本人よりさらに日本人的なブラジル人。多くのオージーは語学学校の先生をしている。たまに思うんだけど・・・・なまってるよって。
なんでドラッグストアで、ヴィトンやプラダが売ってるわけ?(本物なんだよ・・それが) 1階が100円ショップで2階がブランド品の販売というのはやめてほしいと思うの。100円ショップの並びに接待でしか使わないような料亭をつくるのはやめてほしいの。繁華街じゃないんだから・・・
ピアノ教室の窓を隔てた隣がヤクザの事務所? もはや誰も興味を持たない発砲事件、コンビニ強盗。それでいてひっそり交差点にたたずむ安全坊や・・・
そのすべてが、人工的に造られた街の中に放り込まれている。人はペデ(遊歩道)を歩き、クルマは大通りを走る。誰も歩いていない歩道。コンベンション・センター(国際会議場)をつくるとなったら大騒ぎになる住宅地。パチンコ屋一軒でも入り込む隙がない。
わたしね・・・・この街が気に入っている、今。
だから、テレビがつまらない。
すごく平穏な街なんだよね・・・のんびりしていて。それでいて、何となく記述し出すと変な街。