February 02, 2005

シンプルな人たち

それにしても嫌な時代。人生にまで勝ったの負けただのうるさい。そもそもそうやってシンプルにスムーズに行かないところが人生の魅力であり、面白さだと思っていた。

はてはて・・・

でも、そういう複雑な発想をどこでゲットしたのか、わたしにはわからない。

昨日、母のいる病院へ行き、紙おむつや吸引手袋を売店で購入。その際、いつもだったら気にも留めない雑誌や文庫本のコーナーを見る。病院の売店だから、そんなにたくさんあるわけもなく、駅を使う生活をしていないせいか、病院の売店以外の売店を覗く機会なんてわたしの日常生活にはない。

びっくりしましたね・・・まるで知っている本がない・・・
かろうじて2,3冊くらいかなぁ・・・読んだことのある、あるいは彼方昔に読んだと思われる書籍。雑誌も病院のせいか医療関係が多く、ああなるとスーパーの雑誌スタンドのほうがまだマシ。雑誌のタイトルくらいは見たことがあるものが並んでいる。文庫となると、書籍名どころか著者名すらほとんど知らないものが並んでいた。

それではわが家は本のないさっぱりとした家庭なのだろうか?

いやはやいやはや、こんなものは捨ててしまえ、と思うような本や、どういうわけか同じガイドブックが2冊以上あったり、娘のために買った読みもしない絵本の類、趣味の本、それを越す専門書、小説、語学、近頃では短歌関係の本や雑誌、ネタになりそうな写真集、昔だったらどんなに乱雑であっても頭の中に索引を含めてライブラリーが存在していたのに、今ではそういうものすら役に立たない現物主義。どうにもならん。不経済とは思いながら、本置き場のために一部屋余分に必要。今は家のことを考えて、まとめて置かないようにしているために、ますます混乱している頭の中。本というのは物理的に邪魔にならないようにどこかへ積んでおけばよい。だけど、何がどこにあるのかさっぱりわからない近頃のわたし。

子どもの頃、大抵の少女マンガは読んでいた。週刊やら月刊、臨時増刊、あれにこれにと読んでいた。そのほかに学校の図書室の本はかたっぱしから読んでいた。仕方なく読む本がないと親に言ったら、買いたい放題に本屋で買った。それこそ理解のできない外国文学まで含めるとおそろしい。その中でどうしても読めなかったゲーテの『ファウスト』。好きだったランボー詩集。どうして好きだったのか覚えていない。

これに加えて、いわゆる学習書とかね・・・きりが無い。中学へ行けば、これに音楽や映画、ファッション系の雑誌が加わる。わたしの部屋はいつも乱雑で、規則正しかった。朝、わたしが学校へ行くと、お手伝いさんが来て、部屋中の本をベッドの上に載せる。掃除機をかけるため。わたしが帰宅すると、ベッドの上の本をまた足下に戻す。そのうち、積んでおけるところならどこへでもという具合に小さな飾り机があったのだけれど、いつのまにかそこも本置き場にされていた。

高校へ行くようになると、これらに加えて、受験用の参考書の数が夥しいほどになり、それだけでは飽き足らず、専門書を買ってきて読むようになった。とりあえず、進学したい学科があるのならそうするべきじゃない? ついでに西洋哲学史、西洋史。学校の授業より面白い生物学や化学の専門書。でも、多くが入門書。そのほかに政治・宗教、なんでもありいだった。要するに、受験勉強に飽きると読んでいた専門書。この反動で、大学へ入ってからは、推理小説や恋愛小説など短時間で読めるものに集中した。ぱっぱらぱっぱら読み捨てる。

大学院へ入ったら・・・・・やめておこう。インデックスになってしまう頭の中。

すべてを読むなんて不可能だから、本は常に目次から読み、アブストラクトから拾うようにする。そうしないと人生がいかに短いかを知ることになる。しかも、誰も教えてはくれないから・・・もはや、誰かが知っているとか、関連書籍や文献があると期待してはいけない。誰に訊いてもわからないことを前提に突き進んでいく。

不毛だ・・・

たまに思うのだけど、日本人は活字中毒者が多い。それでいて、彼らはどうやってそれをアウトプットしているのだろう? インプットされたものは出さなければ溜まってしまう。死に絶えていくだけの神経細胞。それでいてかなりのクセとバイアスを持ち樹状突起は伸びていくらしい。そうなると、もはやわたしはわたしに逆らえない。不毛な知識が干渉刺激としてわたしの未知なる知識の吸収や新たなる思考過程の形成を阻害する。もはやわたしはこれまでなのだろうか?

パタッ。

こうさぁ・・・・どうやったらそうやってシンプルな発想ができるのだろう? まるで人生をオン・オフで締め括っているかのようなシンプルな発想。こうやれば勝てる、これは負け。なんてシンプルなのだろう。こんな発想がまかりとおるのは、そういう構造にしてしまっているからだ、何かが・・・・その何かが何なのか、誰か知っていたら教えてほしい。

詩編 100. 1-5


* 活字の捨て方・・・・わっかるっかなー。

投稿者 Blue Wind : February 2, 2005 02:17 AM | トラックバック
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