January 29, 2005

サイバー上の社会

想像もつかない。去年、一体わたしは何首の歌を詠んだのだろう。自分でもわからない。CGIに記録されているだけでも4475首。これ以外にイタリアで詠んだ歌や原稿用紙やメモをあわせると、どれくらいになるのか自分でもわからない。時間があれば、CGIに打ち込めばよいのかもしれない。

さっき、CGIの投稿番号を眺めたら、8000首を超えていた。あと一週間くらいで歌歴4年になる。平均すれば年に2000首。実際には、半数以上が去年詠んだ歌。

正直なところ、インターネット歌人というとバカにされる。大昔、その理由の一つに匿名で誰が詠んだかわからないということが挙げられていた。でも、詠み人知らずの伝統があるのだから、それはそれでかまわないような気がしたんだけど、詠み始めて雑誌に投稿したらそれが通った。そうなるとバレバレ。

そうなると、Rindo=白石優子。これね、歌人はよいわけ。それが当たり前なんだから。ハンドル名を使っていても、実際にはどこかの結社で長くやっている人だったり、まったくの素人というわけでもない人たちも多い。

ところが、これがジャンキーに与えた衝撃を考えると、逆にネットの闇を打ち崩すくらいのパワーが歌壇にはある。ネットは基本的に匿名の世界だから、サイトに詳しいプロフィールを書いている人なんて稀だ。実にアクセスが簡単だし、実は相手が男か女かもわからないのに友達意識ができあがったりする。そういう匿名のつながりを破壊するくらいのパワーが、”作品”を持つ人たちには多い。そうなると逆にネットは一つのメディアであり、作品発表の場となる。

が、しかし・・・・

ガイアックスでやっていた頃、モデルさんたちのサイトがあり、わたしはそこのサイトの来訪者ではなかったけど、コミュニティというのは狭く、どういうわけかそこのサイトの来訪者がわたしのサイトにも来る。ジャンキーからすると、オンラインとオフラインを分けているから、相手が誰でも関係ないという。そりゃそうだ。
が、しかし・・・・彼女たちは仕事だからさ。オフ会といってもイベントみたいなものらしいし、サイトの来訪者というのは”ファン”なんだよね。そこから舞台をやったりラジオに出たり、そういうものの話題つくりにインターネットを利用しているだけ。サイトに自分たちのセミ・ヌードくらいなら平気で公開してしまう。
それだけならともかく、風俗嬢で詩人している人がいて、今は寿退社し、介護士の仕事をしている。現役時代、「アダルトなコンテンツは含んでいません」って、サイトの入り口に書いてあった。オフラインなら出会うこともなかったかもしれない。でも、面白いからBBSでやりとりをする。たまに、風俗関係の知り合いの来訪があり、そうなると無視するらしい。ある意味、邪魔されたくなかったのかもしれないし、結婚のことすら内緒だったらしい。
ある日、BBSに、「Rinさん、結婚することになりました〜♪」ってカキコ。そうすると、わたしは、「おめでとう〜♪」って普通に運びレス。・・・・・慌てたらしい。そんなこと言われてもなぁ・・・それがどうしてダメなのか、わたしにはいまだにわからない。

何が言いたいのかというと、ある日、ネットで知り合った友達に言われた。楽天のサイトにアダルトっぽい広告が見え、それをたまたま見ていた上司に、ほかのサーバにしろと言われたらしい。そういう広告が出るのは、サーバの責任であってサイトの管理者の問題ではない。でも、ダメなんだって。一応はお仕事サイトだから。

なんで、そんなに分けるわけ?

だからね・・・世の中というのはややこしい。

以前、ネットラジオのチャット部屋にいて、そこにお仕事している人が入ってきた。みえチャットと言うの? アルバイトで有料でラジオかビデオか知らないけど、アダルト系の番組を流している人が、よその番組へ行って自分の番組を宣伝するわけ。そうなるとね・・・そこのチャット部屋へ集まっている人たちが壊れ始める。
わたしは普通の主婦なんだから、そういう人たちの相手したくないでしょ?で、怒る。

風俗嬢も詩人です。モデルさんも詩人です。わたしも詩を書いていました。ネットは匿名。・・・・・弁解するわけではないけれども、どうしてわたしが結社へ行こうと思ったかには、そういう実際的な理由が含まれていたような気がする。

自分的には普通に詩や歌の話をしているだけなら、相手が誰でも関係ないというクールさはネットで学んだのかも。来訪者が来て、テキストを読んでいるだけなら相手が誰でも関係ない。
が、しかし・・・・・みえチャットで嫌な思いをしたのは事実だし、それでいて相手も傷つけたかもしれないよ?いや、それくらい平気な人でないとああいうスケベの相手はしていられないのかもしれないけど。コミュニケーションがなければ関係ないのよね・・・あなたはそれが平気でも、わたしは我慢できない、というのはわたしの驕りではなく、一般社会における常識なんだと思う。

詩、か。
短歌でもそうだけど、いろんなことを考えると、作品、つまりテキストとして眺めるだけなら気楽。でも、来訪者のトーンにもよるのかもしれないけど、インターネットは難しい。匿名にこだわる人たちは、そういうことを気にしているケースが多い。

いろいろなことを鬱々と考えながら、気が付いたら4000首以上を詠んでいた。

投稿者 Blue Wind : January 29, 2005 11:52 AM | トラックバック
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