January 29, 2005

【短歌】 呼吸せし人の流れの沈黙を雑踏のなか吹きゆきし風

体制に揺さぶられては満月はおぼろな影にかすんでおりし
東雲におぼろに隠れ満月は動かないのか東の空を
あまりにも大きすぎるよ満月は森のうえにぞ浮んでおりし
東の空の向こうに満月は黄色い笑みを浮かべておりし
のんびりと冬空の下たたずめば明日の夜のこと計り知れぬと
東を動かないのか満月は静止した過去ふうわりと浮く
捨て鉢にぽんと放って逃げ出せば月影おぼろ氷はる水
破壊せしそのすぐ後につづく路歩んでみては連なりの雪
おもおもと大地の匂いたちこめる冬の夜空は澄み渡りゆく

エステル記 4. 1-3

和歌死すかわれには何も聴こえないさざめきの音ふるわせる森
少しずつうすまりゆくか空のいろ少し灰色ブルーの空は
闇の中静かにおりし東雲は満月の夜を動かしもせず
和歌死すか和歌を殺すかわたくしはいま深き陽をのみこむ海に
隔絶に切り離されて存在はまたたく空に星の輝き
告げゆかばみそらの花はばら色に輝いている春を待つらん
少しずつ倦みを落として砂のなか埋もれてゆくかまどろみの海
呼吸する茜の雲の消えゆかばはるかな月は東雲の中
呼吸せし人の流れの沈黙を雑踏のなか吹きゆきし風

マタイによる福音書 9. 18-26 指導者の娘とイエスの服に触れる女

現実は激流の音つたえてはしづしづとした冬空の月

◇ご返歌

ネオ・アジアンいつのまにやら吾のことデュティ・フリーでパスポート見せ

投稿者 Blue Wind : January 29, 2005 12:39 AM | トラックバック
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