January 02, 2005

パラダイスは遠い

新年早々、枡野さんのブログのぼやきを眺める・・・
あー、あれなんだよなー、もー、どーっしてもあたしが我慢できなかったのは・・・
商業出版系はどーっしても、これは売れるとか売れないとか出版社がうるさい。それで主催者側はプレッシャーに喘ぐ。そのツケがシモジモにまわってくる。

もう新年を迎えて時効だからいいだろう。
ちまたではどういう風にささやかれているかわからないけれども、わたしは加藤治郎の短歌は好きだし、最初、未来に入会した時に、加藤さんから彗星集で一緒にやりましょうと声を掛けられて、うれしかった。

実際には、加藤さんの短歌のことはよく知らなかったし、どうしてわたしの短歌を有名な歌人が覚えていてくれているのか、そこのところが不思議だった。
一度だけなんだよね・・・冗談で歌葉新人賞に応募して、今見ると短歌にも誤植があり、コピペしてメールに貼り付けて送っただけだから案外てきとー。しかも650以上の応募があって、そういう中で、白石優子というだけで通じるということ自体がうれしかった。

ところが、次第にわたしは作歌そのものに熱意が失われていく自分を感じた。

インターネット歌人ということで、ほかのお弟子さん等からサイトにアップしたものはダメだとか、BBSにパスワードをつけろとか、ある種のアタックがあったのは事実だけど、その程度のことは実はどうでもいいと思っている。加藤先生いわく、顔が見えないからダメらしい。でも、それは嘘だと思っている。

要するに、金なんだよな・・・
本音を語れば、歌集を出版できないほど貧乏でもないし、ほかの歌人の歌集を買うことくらいはできる。

でもさ・・・
そこにこだわるのなら、ネットなら金はかからないでしょ?
ポンポン気ままにキーボードを打つ。すると、歌人であるとかないとかにかかわらず、いろいろな来訪者があり、わたしが誰でも関係ない。こちらも商売ではないし、気楽にしている。要するに生きるに必要な関係ではないから、のほほんとしているのよね。

毎月毎月締め切りが近づくと、原稿の催促とばかりにメールが来る。そりゃ毎月数百首を詠っているわたしとしては、その中から10首を選んで送れば何の問題もない。でも、サイトで詠んだものはダメと言われ、わざわざ原稿用紙を買って来て、それに向かって詠み、歌稿をポストに投函する。何となくいつものノリではないために、作歌がめんどーになる。
今度は何の賞の募集があり、締め切りがいつで、という世界。

そうなると、一体自分が何のために作歌を続けているのかわからなくなった。

いや・・・それはわたしが働いたことがないから、甘えているのだろうか? あれにこれにと反省してみても、そこまでになると、単なる鬱捨て場であるはずの作歌が次第に鬱の温床となっていってしまう。

ダンナに言ったら、「短歌やめても困らないでしょ?」と言われた。

たしかに・・・
詠んでも儲からないし、有名な歌人になっても短歌だけで食べてはいけないみたいだし、第一、本屋へ行ってみればわかるじゃない? あの短歌や俳句に対する扱いの冷たさ。歌集を買うつもりがつい詩集を買ってしまうあたしって・・・正直な人なんだと思う。

それと、自由にしていたかったということもある。

商業出版のことを考えて、ニューウェーブだの枡野流だの、あくまでもそれは和歌の潮流の中の一コマにすぎない。ネット歌人ということで、そこへ吸収されてというのは、筋が違う。わたしの場合、たまたまネットをしているうちに短歌を詠み始めたというだけのことであって、本流である和歌の世界から飛び出そうと企てているわけでもない。

実際問題、和歌の世界が保守的だということは覚悟している。岡井隆さんが宮中歌会始の選者になったというだけで、大騒ぎになったという。自分的には岡井さんの短歌は好きだし、素晴らしいと思っている。

でも、現実にはどうなのかな・・・シモジモにしてみたら、和歌そのものよりも、ムードというか雰囲気というか作風というか、保守であるとか革新であるとか、政治のようにそういうことが大切になるらしい。

なんか、こう・・・・そういうことに巻き込まれること自体が、そもそもの和歌の良さを損なっているような気さえする。

こういう本音をダラダラ書いて、加藤先生が怒ったとするでしょ? でも怒ること自体がヘン。そもそもが短歌とは何の関係もない話なのである。それでまた世論の風当たりがきつくなった頃には、暴風壁が現れる。でも、一人でこうやってパチパチ書きたいことを並べているわたしには、どこに風があり、暴風壁が作用しているのかまるでわからない。

題詠マラソンは楽しいよ。本当はそういう歌人のしがらみからは無縁ではないのかもしれない。それでいて、アンソロジーだからね・・・歌人の世界のオリンピックのように平和の祭典であってほしい。

神さまとだけお話せよ、か。

バチカンに亡命して和歌でも詠っていたら平和なのかもしれない。

パラダイスは遠い。

投稿者 Blue Wind : January 2, 2005 01:50 PM | トラックバック
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