December 27, 2004

ひんやりと肉球黒くかなしけれ小さな氷さわったような

テポドンが飛んできたとて嘆かない罪なきこいぬ眠りゆく空
わたしたち、明日がどうなるものとても身勝手すぎて憐れんで泣く
今は明日、明日は明後日、いつの日かこわれゆくままねむりゆくまま。
ほとほとにほとほとすぎて疲れ果つこいぬのマリア幼すぎる死
生まれては引き離されて渡り逝くいのちあはれかあはれ生くべし
キーボード打つくらいしかできないとあはれんでみてわがみむなしき

反戦の旗印さえむなしくも誰がためにぞ夕暮るる空
テポドンよ、飛んで来いよとあはれめば、身はやつるほど700グラム。
べこべこに背中の皮にはりついた身の無きマリに血液検査
生きるって出してくれよと檻の中叫べど飛べどだれもこたえず
悔しさは怒っているのと違うのよ!べこべこになる脱水のマリ

ほんわりとやすらかな顔ねむりゆくまんまるおめめ、しあわせって何?
届かない眠りの中の眠り姫大空遥か魂いづこ
天高く追い求めるかオトくんは二階にのぼり誰に遠吠え
つながれた糸むなしくもてのさきは指が聳えて人間といふ
ひんやりと肉球黒くかなしけれ小さな氷さわったような

やんわりと皮のむこうにやんわりと冷たいマリのふにゃりと身体
永遠は永遠すぎて幻のとおりゆく道そらたかくあり
魂はあっというまにのぼりゆくみあぐる夜空星の瞬き
光より速く夜空に輝けりきらきらとした魂の息

ダニエル書 10. 8


◇ご返歌
サンダルでクルマ転がす癖つけば季節外れの爪先は冬
枯れ枝の細い切り絵の刻刻と透かす夕陽に消ゆるわくらば
空からの落つる雨雪消ゆるともめぐりゆく雲天使に変わる

投稿者 Blue Wind : December 27, 2004 12:11 AM | トラックバック
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