December 24, 2004

昨日の話。

昨日の話。
お昼に娘の友達から電話。年の離れたお姉さんが二人いて、上のお姉さんがわたしと話したいという。すぐにピンと来た。マリの話だろう・・・

偶然同じ日に、下のお姉さんとペットショップで出くわし、彼女はセントバーナードの赤ちゃん、わが家はマリを買った。
こちらもマリが病気になったので、その時に一緒にいたセントバーナードの赤ちゃんが気になり、娘に尋ねたりしていた。いきなりマリが死んだという話を聞いて、慌てて電話をかけてきたことが様子でわかる。

そのセントバーナードの赤ちゃんは、頭ばかり大きくて、体が育たない。近頃では抜け毛が多くなり、さすがに心配になって動物病院へ連れて行く。当然、同じペットショップで買ったから、マリが通っていた病院を勧められる。
体が育たないのは餌が少ないからであり、抜け毛が多いのはブラシが合わないからと言われ、ブラシを買わされたらしい。

「・・・・・うちは、美容院なんですよね。いきなりブラシが合わないと言われて、妹が怒って・・・・・」

あーもーそれだけで、診察をしたのがあの女医だと分かる。

わたしはすでに話すのが嫌なので、ダンナに行ってもらい、「・・・・人間と動物は違うかもしれないけど、検査は必ずしも100%ではないし、症状から感染症の疑いが・・・・・」と、かわす。「いえ、パルボではありません、パルボではありません」と速攻で反応が戻ってきたらしい。

今度は、美容師さんをつかまえて、セントバーナードの抜け毛が増えたのはブラシが合わないのが原因だからとブラシを買わせている。

その娘の友達のお姉さんは、あまりにも腹が立ったのでペットショップに電話。あっさり、「別の犬とお取替えいたします」と言われたらしい。そしたらますます腹が立ち、「あの子が可愛いと思って買ったのに、違う犬をよこせば終わると思ってるの〜!」と、めちゃくちゃ怒っているところにうちのマリが死んだという話を聞いて、慌てて家族がうちに電話してくる。

「・・・・・・お客さんからいろいろ話を聞いて、あのペットショップは子犬が結構死んでいる、皆さん、動物病院なら9割がAへ連れて行っていると言うんですよ・・・・・・それで妹が心配して・・・・・・」

まったく同じ話をほかからも聞いているので、うちはストレスが原因だと言われたという話を話す。うちだけならともかく、ストレスの次には餌が足りないとかブラシが合わないとか、どうやってもその医者がよほどのヤブなのか、あるいは病気を隠蔽しているとしか思えないではないか。


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夕方、ペット霊園へ行く。
その時間でないと空いていないと言われ、4時。
少し早く着きすぎて、誰もいない。

青空に月が浮んでいる。
マリを燃やすのがかわいそうになり後ろの座席を振り返ると、夕陽。

一昨日。朝、硬直が始まっていたのに、娘が学校から戻って亡骸を抱いていたら、マリが柔らかい。目を閉じたはずなのに開いている。まるで生きているかのよう。最初にその不思議さを発見したのはダンナ。

なんだかマリが生き返りそうで、もう一度ダンナに本当にマリが死んだのか訊く。
当たり前だけど、心臓が停止しており、瞳孔が開いていることにより、マリは死んでいる。

「不思議だ。たしかに不思議だけど、マリは死んでいるし、僕は信仰心はないからね。」

というわけで、マリは予約時間にはペット霊園へ連れて行かれ、荼毘にふすことになった。ネットオークションでカジノに『マリアのトースト』を売った人のほうがよほど信仰心があるように思えてしまう。

わたしが千年くらい早く生まれていれば、教会やお寺に行き、「こんな不思議なことがありました」って報告するのかもしれない。

うちのダンナと話していると、自分がまるで、『奥様は魔女』のサマンサの家の隣の家の奥さんのような気分になってしまう。サマンサの魔法を見て、大騒ぎするのだけどそれをご主人に言っても信じてもらえない。

マリちゃんをおくるみに包み、火葬。

その間、レストランへ向かう。

いきなり隣の車線を走っていたクルマが犬を轢く。中央分離帯からの飛び出し。即死。後ろから大きなトラック。

警察に訴えてやろうかと思ったけど、ダンナに、「保健所だろう」と言われた。

マリはうちの子だから埋葬。骨壷の中。
ペット霊園のおじさんに、「動物はいつかは土に戻さなければならないのを知っていますか?」と訊かれた。「庭に散骨します」と答え、すでに真っ暗になってしまった霊園の中を出る。


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せっかくのクリスマス・イブだというのに、何という話を書いているのだろう。
せめて、あのセントバーナードの赤ちゃんが元気になってほしい。赤ちゃんとは言っても、オトくんよりすでに大きい。700グラムのマリとは違って、体力もある。

マリは骨まで細かった・・・

哀歌 2. 9-14

投稿者 Blue Wind : December 24, 2004 11:59 AM | トラックバック
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