February 14, 2004

真実の鏡のような青空を知らない子犬わが腕にあり

真実の鏡のような青空を知らない子犬わが腕にあり
カチカチと時計の音が鳴るような無機質な吾アクセルを踏む
ゆるゆると駐車場からすすむ路酔芙蓉の枝刺々しく伸び
家の中うんちを踏んだ足のままぺたぺた歩くオトという犬
あまりにも大袈裟すぎて泣き笑いするあなたってもしかして歌人?
よそいきの服を着るよな歌会に舞台衣装を借りて着るよな
真夏には競泳用の水着よりリゾートゆきてバタイユ色に
しんみりとカノン聴こえるひとときはやわらぐ夢の雫のようで
コーラ・ガム刺激のつよいキス・ミントむすめのおやつちょっとつまんで

◇ご返歌
空よ空今のわたしにはもう何も浮かぶ雲さえ他人のごとく
おかしらの目玉を食べたことのないわたしにはなお理解せざりし
包丁をまな板のうえのせたまま離るるスリル子犬は踊る
盲目の鳥は光に飛びおりしガラスの中は何色にみし
スロットル一度だけでもおもいきり蹴飛ばしたいな気の向くままに
高らかに挨拶ばかり冬のみちバイク言葉にくるまは無言
マキシンの帽子はふるくしづもれり陽射しは右の頬を焦がしつ
腕の中甘えるように眠りこむ子犬は母のぬくもり知らず
この曲はいつまで響く部屋の中CDという異質な異物
やすらかな気持ちのままに腕の中抱きた子犬のねむりゆく夜

投稿者 Blue Wind : February 14, 2004 04:28 AM
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