与はれた愛をことほぎ伝えゆく一人の人から一人の人へと
街をゆくしたたかなるや冬風よゴミの蓋だけ谷にころがし
街路樹のライトも消えるお正月学生街は枯れ葉とともに
元旦の学生街はひっそりと枯れ葉揺らして風は吹きゆく
申年はみざるいわざるきかざると猿に出遭った心得を得る
ココナツの匂いを不意に思い出す光の中のまばゆき碧
言葉など風に吹かれて飛んでゆく潮風のなか無邪気に歩き
東には陽の射すことの少なかれ低き大地はビル翳となる
マレーシア空港あるく黒ベール眼の遭ひてはしづかに逸らす
黒ベールの母は無邪気にはしゃぎをり中東の子ら潮風吹かれ
アカシアの葉陰にゆらる東陽は冬窓撃ちて吾で止まれり