December 13, 2003

ほこり舞ふさなかの街も海はただキラキラひかる。船はゆきかひ。

きらめきに落つる虹色プリズムをかざす窓かな空は時雨るる
砂時計めずらしきかな吾子ながむひょろりと並ぶ水時計なり
ひろやかに薔薇の垣根の冬の道うららな影のしづかに咲けり

ほこり舞ふさなかの街も海はただキラキラひかる。船はゆきかひ。
降り立てばポートアイランド土の上高速道路の倒れたる道
窓の外見知らぬ街の流れたる電車は走る山はつづきぬ
マキシンの帽子も遥か想い出の箪笥の中にひっそり眠る
震災の街をや出たる溜め息の安堵の中にドアは閉じられ
貨物船広きデッキで見おろせば六甲山のみどりまほろに
頑なに孫をいだきて昼寝する義父の向こうに泣き声響き
新天地ひらけてゆくや街並みのかはるはやさの神戸に負けぬ
ケ・セラ・セラなるようになるセラヴィーとラテンのリズムで日はまた昇る
飛び立とうやがては春の野の花の風に運ばれ咲き乱るる園
もうあれは終わったこととピリオドを一つ落として空白の声

投稿者 Blue Wind : December 13, 2003 04:48 PM
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