September 15, 2003

せみの如く鈴虫の鳴く真夏日におぼろなピアノなぜに聴こえり

窓辺より不意に聴こえる知らぬ声隣家の子等のボーイソプラノ
はなうたで自転車に乗りかえるひと癌とりしこと家族も知らず
肝硬変次には癌に変われるも検査さぼりて癌を育てず
ウイルスをいだき生まれしひとなれば今ひとときもともに過ごしぬ
秋鳴きのともしぐれたる虫の音に今ひとたびの涼を求めぬ
来る春のおそければ花咲ける丘今が夏だと吾に伝えり
花遅き虫の音早き北の嶺にふたこぶらくだも地にふすもがな
せみの如く鈴虫の鳴く真夏日におぼろなピアノなぜに聴こえり
「台風が来ているから」と夫の言ひし夏もなこそと秋せきとめぬ

投稿者 Blue Wind : September 15, 2003 04:41 PM
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