<季節外れの紫陽花>
雲ゆかば透きとおる空見あげても雨したたるは花のうえにか
うっそうと葉のしげりたる地の下に明日咲かせるは雨の紫陽花
花ひらく気配のなかでひっそりと口つぐみたる楽そえた風
明日のこと思うとて晴れるひざしには傘となる花いろどりを消す
むらさきは透明ないろ光にぞ消えゆかんとすまぶしき空に
いのちたる地と葉のもとであめ落つる紫陽花の空みあげん隙間
(ローマ 1. 6)