March 18, 2011

マルタ・・・・

どこも同じだと思うけど、ライフラインが復旧しないうちから仕事が始まる。いつから診療できるようになるのか・・・

土曜日、家にいても電気も水道も止まっていたので職場へ行った。大きなビルなので水道も出るし、電気も通っている。ざっと観たところ、外観による破損もないため、計画停電時間以外なら診療ができるということになった。

そこに薬剤師が、状況を会社に報告するために来た。電車が止まっているのでタクシーをチャーターしたらしい。地震の被害よりも、職員が出勤できないのが悩みらしい。彼女自身もとうとうつくば市の水道が復旧したのを受けて、ビジネスホテルを利用して出勤。案の定、午前中は忙しい。

わたしは、確定申告の書類を締切1時間前に提出。提出に行った市役所の中は人が多く、被災状況を調査するためか、申告相談をしているためか、あわただしい雰囲気。

診療所のほうにも福島から避難してきた人たちの来院も多く、中には本人が高齢で来れないので、代わりの人が薬だけもらいに来るという人もいる。薬の名前だけで本人もいないし、普通なら断るのだが、とりあえず少なめに処方して向こうで量を確認してもらうしかない。

そういうこともあって、避難所に差し入れを持って、状況を見に行った。避難所となっている国際会議場は広く、子どもたちが玄関で遊んでいたり、医師が健康相談だけしていたり、個人物資の受け付けもしているので、案外、明るいムードだった。浪江町に友達がいるので念のため名簿で探したが、ほとんどがいわき市の人たちだった。受け入れは、全部で205人。公園の中の公民館にも90人ほどいるらしい。

わたしが行ったとき、DV被害で家から逃げてきたと言っている精神病の兄妹が避難所にいて、職員が困って精神科に連絡していた。こういう時期なのに、往診に来てくれるわけがないので、しばらくわたしが話を聞くことになったが、別室に入れられたとたんに兄が逃げ出し、妹がわめきだす。態度が豹変し、職員が取り押さえようとするが暴れて、無関係の人にいちゃもんをつけて殴ったので警察に連絡。

「殴ってやる」とか「殺してやる」とか兄妹で叫んでいるので、無事に警察に保護してもらった。警察が到着するまで、20メーターくらい離れたところで背中を向けて付き添って(?)いたが、パトカーに乗るとおとなしくなり、罵詈雑言とともに去って行った。

クリニックに戻ると、今度は天皇が京都に避難したから、自分も今から京都へ行くと言う患者さん。彼女の話だと名古屋まで危険だと言う。うちでは内科の処方をしているだけだが、精神科の患者さんでもある。あーあ。

薬剤師が怒っているくらいはまだましだ。何も、今の時期に来なくてもいい花粉症の患者さんも多い。薬が無くなったら不安だから来る。家が半壊したといって泣いている患者さんもいる。

こういう時期なのに健診も多い。検査会社も被災しているので、血液検査の結果がいる出るかわからない。問屋さんの職員も出勤できない人も多いらしいし、製薬会社が被災していて、薬が手元がない場合にはあちこちで在庫を探さなければならない。

レントゲンが不調なので修理に来てもらったら、結局、現像液と固定液が地震のせいで混ざり合っているのが原因と言われた。ちなみに、同じようなトラブルがあちこちで発生していて、水戸へ行ったら屋根瓦が目の前に落ちてきたとか。そろそろガソリンが無くなるので、そのうち修理には行けなくなるとも言っていた。

皆、元気なのだけど、かなり疲れている。

明日のことは、明日考えよう。修学旅行先の韓国にいる娘から電話。先生が全員に電話させているらしい。北のほうはかなり被害もあったようなので、明日の帰国を踏まえてのことなのだろう。いまだに常磐線は動いていないし、TXの本数も少ない。帰宅困難な生徒も多い。

(ルカ 10. 38-42)


投稿者 Blue Wind : March 18, 2011 12:55 AM | トラックバック
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