July 20, 2010

歩いた日

もう、最悪ですね。

オルセー美術館展とマン・レイ展が乃木坂の国立新美術館でやっているというので娘と一緒に行ってきたけど、オルセーのほうは1時間待ちの上、中に入ったら箱の中のシュークリーム状態で、人気のある絵の前では身動きできないほどの人だかりだし、移動しようと思っても人間だらけで他人とぶつからないように歩くのも不可能なほどだし、まさしく大失敗。

この連休中なら高校生はタダなので、わざわざ日を選んで行ったのに、これなら平日でもっと空いているときに行けばよかった。でも、平日は電車が混むので、それはそれでいやだし、この手の企画展をするならもっと場所の広いところでやってほしかった。絵と絵の間隔が狭すぎるし、部屋が狭すぎ。最後のほうのアンリ・ルソーなんてどうやっても絵までたどりつけない。誰もいなければ2枚だけだからあれでよいのかもしれないけど、狭い箱に押し込められて死にそうだった。

マン・レイ展はおもしろかった。適度に空いていたし、ガイドを借りてのんびり。娘は、マン・レイのことは知らないと言っていたけど、結構、楽しんでいた。ヘンなおじさん、という感じだろうか。発想がおもしろい。マン・レイ自身は自分のことを画家だと思っていたようだが、わたし的には絵よりも写真のほうが素晴らしいと思ってしまうし、おそらくは世間でもそうなのではないかと。でも、画家だからこそ写真がよいのかもしれないし、正直、それは感じました。

ついでに、宮田亮平展をデパートでやっていたので、そちらにも立ち寄る。伯父の見舞いをする予定だったのに、手ぶらでもなんだし、つくばを出るときには朝でどこもやっていなかったし、電車の中で荷物を持つのもいやだし・・・

でも、つくばと違って、休日のデパートなんて高齢者ばかりだし、作品の前に値札が置かれているのもなんだかなぁ・・・ まあ、タダだから仕方がないか。でも、同じタダでも、地下鉄に乗り換える途中、北千住の駅前に宮田さんの作品があり、そちらのほうがよかったかな。誰も見ていないし・・・ 気がつかないで通り過ぎるほうが普通なのかもしれないけど、たまたまちらっと見たらイルカのオブジェがあったので、周囲の視線が恥ずかしかったが、鑑賞した。

***

伯父は元気そうだったけど、すっかり白髪頭になり、ひげまで真っ白で、仙人のように微笑んでいた。5月に仕事で中国へ行き、戻ってきたときにはふらふらで、すぐさま紹介状を持って大学病院。78歳で、まだ働いている。検査の結果が出るまでは誰にも知らせないということで伏せていたみたいだが、先月伯母から電話があった。

伯母は悪いことは言わない。いや、もしかすると悪いことを言っているのかもしれないが、明るい言い方をするので、そんなに悪くはないのかもしれないと勘違いしてしまうが、その話をダンナにすると、その状態で1年生きた人を知らないと言う。伯父もぼーっとしていて、一応は抗がん剤を使って治療することには積極的なのだが、それは積極的に治そうという意思の表れではなく、黙って死ぬのを待つほうが退屈だと言わんばかりで、食欲もないみたいだし、従妹の話によると自宅にいるよりも病院にいるほうが安心してよく眠れるというので病院にいるらしい。

平成も22年になってしまっている。老夫婦だけで、将来のことを考えていたら不安とストレスに耐えられなくなっても不思議はないのかもしれない。

あらためて、都会には住みたくないと思ってしまう一日だった。

投稿者 Blue Wind : July 20, 2010 04:50 AM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?