May 28, 2007

『マルセル・エメ傑作短編集』 マルセル・エメ著 露崎俊和訳


マルセル エメ, Marcel Aym´e, 露崎 俊和
マルセル・エメ傑作短編集

この本はとってもおもしろかった。

読んでいて楽しくなったり、夢や希望が持てたり、そういう類の本ではない。逆に、ぐったりするような内容が多い。

ある日サーカス団のこびとが急に成長し、美しい若者になってしまったとしたら?
花形スターで永遠のこどもだった彼が、今度は自分で生活費を稼いだり、仕事を見つけたりしなければならなくなる。

浮浪者やならずものが主人公だったり、犬の話だったり、ある日年齢が半分になってしまい、年寄りが若く、若者はこどもに・・・

なんか、こう、いびつな小説が多く、シニカルなトーンで描かれている。願望が願望として達成されてしまったら、世の中が大変なことになってしまう・・・という夢も希望もなくなるような語り口で、ドラマチックな世界が展開してゆく。

投稿者 Blue Wind : May 28, 2007 12:51 AM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?