September 19, 2006

大阪・神戸

主人の姪の結婚式があり、大阪と神戸へ行って来た。

その前1週間くらい、わたしはひたすらめまいに苦しみ、起きようとして頭を動かすと激しい吐き気に襲われていた。最初は単なる疲れかと思っていたが、3日以上経過しても直らないので、しばし薬を飲む。頭位変換性の眩暈らしい。

いったい、どういう病気なんだとダンナに尋ねたら、ストレスと疲労が原因で、稀にそういうことが起こるらしい。一日中船酔いしているようなもので、頭を動かすだけで眩暈がする。とりあえず、内装の工事が始まったら直ってきたので、それが原因だったのだろうか。原因の種である設計士に会ったとたん、あちらも風邪で声が出ない状態だった。・・・・・・ストレスってそういうものなんだろうか。

それでもあわただしく新幹線に乗り込み、そのとたん病気のことなど忘れてしまっていた。大阪へ到着する頃には、元気になり、何年かぶりの大阪駅からホテルのシャトルバスに乗り込み、芦屋で上っている花火を遠めで眺めていると、娘が、日本にもこんなに綺麗なところがあったのかとひどく感動しているので、何となく不思議な気がした。たしかにかつての大阪のイメージではなく、美しい夜景を堪能していると、これが本当に大阪なのだろうかと思ってしまう。

翌日、大阪から神戸へ向かうタクシーで、「ここがオリンピックを誘致しようとしていたところですよ」と説明され、運転手が3000億円の赤字の話をし始めると、娘が喜んで、「ちょうど今、社会の授業で大阪の赤字についてやっているところです」と答えていた。運転手とわたしはひたすら「へーーーっ」と感心し、娘に同じ質問をした。まあ、学校の社会の授業がどういうものかなんて、すでに覚えていないし・・・そんなことを習うのかと不思議な気がした。

もっと不思議だったのは、姪の結婚式で、いわゆる人前結婚式で、教会のようなあつらえの席に座り、花婿の次に父親と一緒にウエディングドレスを着た花嫁が登場し、まるでキリスト教の結婚式でありながら、神父さんも牧師さんも登場せず、台風の近づいた空の下で、結婚式が行われた。

出席している人たちはみんな上機嫌で、誰もが浮かれていた。わたしもそれなりに楽しく、仲が悪かったはずの主人の姉夫婦のところとも旧知の友と話すように話が弾み、その前に花嫁の控え室へ行き、お祝いを言ったら、「私は結婚式に行きましたよ」といきなり言われ、意味がわからなかったので、「そうそう、それであのときはディズニーランドへ行ったのよね(それほど小さかったのに)」という意味で答えたが、やりとりになっていなかった気がする。そこで、『昨日、かんじんかなめの案内状を出掛けに忘れ、うっかりおばあちゃんのところに電話してしまい、大騒ぎになったことが悪かったのだろうか』と勝手に解釈した。

・・・・・・・・が、大いに違った。

何が違ったのかよくわからないが、とにかく、この数週間、おばあちゃんの欝が悪化し、ひたすらそれにみんなが振り回されていたらしい。一番の犠牲者は姪で、婿さんと二人で振り回され、まるで嫁いびりをされた嫁のようにひたすら傷つき、それがわたしとどういう関係があるのかよくわからないが、なんか、こう、深いいたわりと同情を持って、皆に迎えられたところをみると、花嫁がヘルペスに苦しみ、式の日に笑顔が引きつっていた理由が、というか気持ちが少し理解できた。嫁に対する仕打ちではなく、孫に対する仕打ちなので、あれは姑さんの欝が原因だった、と、過去の確執がさっぱりしてしまったのかもしれない。

そこでちらっと思ったのだが、このところ忙しく、しかも母親の容態が例のごとくだったため、「葬式と重なったらわたしは出られない」、という当たり前の意味が、おばあちゃんを経由して彼女に伝わった場合、どういう風に伝わったのか・・・

考えて謝ろうと思ったが、今は何を言ってもやぶへびになりそうなので、やめた。何も言わないに限る。弁解しても無意味だし、わたしは何も弁解するようなことはしていない。かえって、怪しまれるではないか・・・

いつもこの調子だ。

どうでもいいと思いつつ、もっとシュールだったのは、婿さんとはインターネットのオフ会を通じて知り合った仲間らしい。オフ仲間が全国から集まっていた。とは言うものの少数だが・・・
でも、リアルな友達より多い。

その集まったメンバーがどこか不思議な人たちで、花嫁が、その人たちに接するときが一番うれしそうな顔をしているのが印象的だった。

本当に不思議な人たちなのである。どこが不思議なのかはうまく説明できないが、今、自分の目の前にいる人たちが、それぞれネットというフィルターごしに出会い、それを形にしていくまでの様子が、何となく想像できた。1人、泣き出してしまった女の子がいて、わたしの邪推によると、彼女はどこかリスカ系の人だったのではないかと思ったが、口には出さなかった。ただ、皆が陽気に集い、再会と結婚を祝し、皆が出会うきっかけとなった女の子がスピーチをし、その子も別の男の子も本当にやさしそうで、いわゆる『こころのつながり』を求め、大事にする人たち系だと思ったが、何よりも不思議だったのは、いつもサイバー上で出くわすその手の人たちがそのとき自分の目の前にいて、その中に小さかったあのときの女の子が混じっていて、しかもそれがダンナの姪だったことが、いたく不思議な気がしたのである。

意味もなく、わたしにいじわるな質問をしてきたり、きついカキコをしていた中に、姪が混じっていたとしたら、あるいは混じっていたとしても、わたしはすでに驚かないだろう。

まあ、インターネットは匿名の世界だし・・・自由な世界でもある。

だとすれば、2重の意味で、何かわたしに文句を言いたかったとしても、何となくそれもまた理解できる。ジャンキーネタもずいぶん書いてきたし、まあ、その手のネタも多い。実際、それを形にして、結婚式というところまでこぎつけたわけで、その点ではすごいような気もするが、その辺のところを理解できるのもジャンキーかもしれない。しかも、もっと恐ろしいことに、その手のネタで講演してくれないかと、娘の学校の先生から電話がかかってきた。わたしはとてもではないが、純朴な子どもたちを相手にその手の話をする勇気はなかったので、当然、お断りした。

式は楽しく、お祝いの気持ちでいっぱいだったが、家に戻ってきて、サイバー上の画面に向かうと、そんなことを考えてしまう。
考えすぎかも。
なんか、このところ忙しすぎて、ぼぉ〜っとしすぎている。
台風の中、お墓参りに行き、そのちぐはぐさに振り回されたのが原因かもしれないし、朝食へ行っている間に、何度もおばあちゃんから電話が入っていたのが原因かもしれないし、果たして彼女をこちらで面倒をみるとして、わたしにその耐性があるかどうか、自信が持てないのも原因かもしれない。

まあ、深く考えるのはやめよう。
あまつさえ、忙しい。

投稿者 Blue Wind : September 19, 2006 02:56 AM | トラックバック
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