February 21, 2006

変わりゆくもの

サウルがポカをしたところでちょっと休憩。
判事の書→ルトの書→サムエルの書上と進んでいる。

判事の書も後半になってくると、サムソンという英雄まで出没する。彼はどちらかというとギリシャ神話の中のヒーローのようで、女性で躓くあたりが人間くさい。

当時のイスラエルはペリシテ人と年中戦争していたらしく、サムソンの時代には征服されている。互いに侵略したりされたり、どうしても落とせないところはそのまま町が残っているし、サムソンのペリシテ人の妻の話や、サムソンの弱点を密告する女性や、あるいは人間離れした怪力の持ち主サムソンに弱点があること自体がギリシャ風。髪の毛を剃られると普通の人間の力に戻ってしまうという・・・

エフテの娘の話は悲劇。(いかんよ、そういう誓いをしては・・)

ルトの書は、めずらしく戦争の話ではない。ダビデやイエス・キリストに異国人の血が混じっているということを初めて知る。異国人といっても隣の国だし、もともとのルーツは一緒なんだろうけど、ヘブライ人ではない。

その昔、飢饉があり、モアブに移住したエリメレクと妻のノエミ。ノエミには息子が2人いたが、夫と息子に先立たれる。そして遺った異国人の嫁たち。その嫁の1人がルトで、彼女は実家に戻らず、ノエミと一緒にベツレヘムで暮らす。そして、エリメレクの親戚の男と結婚し、法律上のエリメレクの子孫を残した。

おそらくは、ずっと戦争をしていたので、そういうケースが多々あったのかもしれない。

祭司エリの息子たちは、祭司の職権乱用で評判が悪い。結局、戦争の際、神の櫃をペリシテ人に奪われ、その息子たちは死んでしまった。世襲制だとどうにもならないもの・・・クビにできない。
神の厳しい罰が彼らに下ったという話。

律法というより、道徳かな。逸話の中に道徳がある。

さらに時代が進むと、イスラエル人たちは王が欲しいと言い出す。部族があって、かしらがいて、長老たちがいて、有事の際には預言者がいて各部族が一致して戦う。・・・・はずだったのに、この頃になると他の部族の干渉を嫌うベンヤミン族のようなケースがあると、いわば内戦状態になり、身内で殺し合いをしているようなものとなってしまう。懲らしめたいがいざ12部族のうちに欠けが生じるのもつらいという矛盾。

戦争だとその時代の周辺の強大な王国のように、多くの民がいるほうが強いに決まっている。が、しかし、神の守護があれば、人数なんて関係ない。実際、川が氾濫したり、いなごの大軍が押し寄せたり、敵にペストが蔓延したり?

が、実際には、イスラエル人は王を求める。その初代の王がサウル。
サウルは・・・・どこか頼りない。
この頃になるとどことなく民主的で、王が誓いを立て、誓いを破ったものは殺すと言ったら、その誓いを知らずに罪を犯したのは息子のヨナタンだった。しかも、彼はその時の戦争の英雄。

判事の書の時代、エフテは自分の誓いどおり、娘をいけにえにしてしまった。その悲劇。ところが、サウルの場合には、民がヨナタンに味方し、彼の代わりに牛が屠られた。戦争でへとへとになっている兵士たちに断食を命じるほうが悪いと言ったヨナタンを民が支持したのも当たり前。そういう誓いをしたサウルが悪いそう。

投稿者 Blue Wind : February 21, 2006 01:48 AM | トラックバック
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