医療の世界ほど仕事ができる・できないがはっきりした世界はないのかもしれない。どこにラインがあるのか、働いたことがないわたしには理解できないけど、明々白々に違うそう。
たとえば大学病院なら、自分についている職員全員を引き抜いて開業してしまうし、事務の果てまで仕事のできる人を連れて行ってしまうし、医者一人が開業するとなるとごっそりできる職員が減るので大変になるらしい。民間の病院では院長の方針がすべてなので、給与の果てまで個人差があり、職員同士でその手の話をすることはまずないと言う。一律で給与が定められているのではないことくらいはわかる。
でもね・・・話を聞いていると他愛ないことなのよね。
たとえば、ミスをした場合。内視鏡を洗浄する際、マニュアルがあり、慣れている人や覚えのよい人はミスはしないし、しても認めて謝る。ところが、うっかりミスで、洗浄していない内視鏡を間違えてセットしてしまったときなど、汚れているのだから大抵は洗っていないことくらい誰でもわかるじゃないですか。(たぶん) ところが、「私は確かに洗いました」とかさ、ミスを認めない。中年の看護師さんに多いらしい・・・この手のタイプ。もっと恐ろしいことに、汚れた部分を拭いただけで医者に使わせようとする。こうなると論外。
ある程度仕事ができるようになる頃が一番怖いそう。たとえば、本来なら看護師は注射をしてはいけない。点滴もダメ。ただし、採血はよい。その昔、義父もそれで大変なことになったことがあり、看護師さんが子どもに間違えてインシュリンを打ってしまい、危うく死なせてしまうところだった。明らかに看護師さんのミスなんだけど、本来なら医者でないと注射してはいけないわけで、開業医だと看護師さんが注射しているところもめずらしくないし・・・ でも、その事件以来、義父は自分でやるようになったそう。当たり前と言えば当たり前なんだけど、職場の方針でその当たり前が違うから、それを理解してもらうまでが大変。
で、本来ならダンナが職員の給与の支払いから税務まで独りでやるべきなんだけど、あの人が源泉徴収を計算したり、確定申告を自分でやるとは思えない。どうせ税理士を頼むんだから・・と思っても、誰がいちいちそういう雑用をするのだろうか? ⇒ あたし・・・
でも、本来なら職場のことまでいちいち奥さんに口を出されたらやってられないよね。そこで釘を刺されたのが、職員の採用と給与に関しては一切ダンナが決めたいということ。相性というのがあって、まだ先のことなのに、今から引き抜きを考えているから。1人仕事のできる看護師さんを引き抜いて、あとは手伝いの看護師さんを雇えばいい、というのが基本。サラリーも当然違う。
何をもってして仕事ができる・できないを決定するのかはわからないけど、うっかりミスが文字通り命取りになりかねない世界。そうなると表面上のことだけではなく、感性というか人柄というか、相性もあるだろうし、自分のやり方や方針をきちんと理解し守れる人でないと困る。
なんか、考えただけでストレスでダウンしそうだ・・・
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