October 29, 2005

【短歌】 英雄は黒黒として聳え立つ鋭利な刃物つきたてている

君死して今何のため嫌われて呪われて肉まつられ拝み
あのように生きるがよしと子らなどに言えるわけなく苛立ちの杜
国のため生きるがよしと蓮っ葉に砕け散ったか野の向こうには

英雄は黒黒として聳え立つ鋭利な刃物つきたてている

野の花よ、森の木霊のいくせんの声にも似たり、風の向こうは
苛立ちは武勲の文字をかろがろと祭ってみては死に絶える、人

公務員減らして増える軍事費に騙されてみて科学立国

軍隊は政府の犬と書いていたあの本の意味老眼で知る

オトくんは勇敢に吠え勇ましく玄関の前飛び出してゆく
マリちゃんは好奇心ゆえドアの横身を滑らせてしっぽふりふり

虚しさをすこし感じるドアの前くらがりの中犬だけ吠える

憤り、遠のいてみて無邪気さが胸につかえた小骨の罪に

英雄に天国はなし英霊は小骨のようにたたずんでいる

投稿者 Blue Wind : October 29, 2005 02:07 AM | トラックバック
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