August 22, 2005

『一市民の反抗―良心の声に従う自由と権利』 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著 (山口晃訳)

面白い本を見つけた。ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(山口晃訳)の『一市民の反抗―良心の声に従う自由と権利』

世界でもっとも影響力のあったエッセイ、というフレコミどおり、この静かな本は本質をわたしたちに教えてくれる何かがある。ガンディーもキング牧師もマンデラもこのエッセイを読んでいた。

『「政府というものはできるだけ国民に干渉しないほうがいい」という言葉を私は心から受け入れます。』という書き出しで始まるこのエッセイは、政府というのが木でつくった銃のようなもので実は何も出来ない代物であることを教えてくれる。

『自由の国を維持しているのは政府ではありません。西部を人の住めるようにしているのも政府ではありません。教育するのも政府ではありません。いずれもアメリカ国民に本来そなわっている性格によって成し遂げられてきたものなのです。もし政府が時どき口をさしはさまなければ、さらに多くのことが成し遂げられていたでしょう。というのは、できることなら人々がお互いに干渉しないための方便として政府があるのです。』(同書 p.9-10 より引用)

『軍隊は政府の腕にすぎません。政府は、国民が自らの意思を実行するために選んだ方法にすぎないのですが、それを通して行動する前に、軍隊がそうであるように、悪用され、本来の目的からそれてしまいがちです。現在のメキシコ戦争をよく見てください。あれは政府を自分の道具のように使っている少数の個人がやっていることです。国民はあんなやり方に、はじめは同意していなかったはずです。』(同書 p.8 より引用)

あれにこれにと引用したくなる部分がたくさんあり、法に忠実になりすぎれば逆に良心を失い、悪を働くかもしれないという人間のもろさについて書かれている。

投稿者 Blue Wind : August 22, 2005 02:41 AM | トラックバック
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