July 10, 2005

500円でわかる人生観の違い

あと10日くらいで梅雨が明けるはずなのに、このところ連日して雨の日が続いている。正確には日中は鬱蒼と曇っており、夜になると雨。これくらいのほうが庭仕事はやりやすい。ただし手がドロドロ。水のない国も大変だと思うけど、ちょっと油断するとあらくさ(雑草)だらけ、木は生い茂る、という国の主婦もそれなりに大変かもしれない。

たしかにコンクリで固めてしまったり、除草剤を撒きたくなる気持ちもわかる。わたしが外で仕事でもしていたらにっちもさっちも。いや・・・わたしという人は家にいてもこうなんだから、せっせと稼いで庭は植木屋さんに手入れしてもらうくらいのほうがましか?

外の仕事が楽しい人たちならそれもいいかもしれないけど、案外、庭仕事は面白い。そうなるとこれを他人に譲って何かをするのはもったいない。子育ても嫌いな人たちならともかく、子どもが好きなら案外やりがいのある楽しい仕事。要するに、母は土いじりも子どもの世話も嫌いだったのだから仕方がない。

好きなんだよなぁ・・・
たしかに。

母は家に3日もいると腐る。かなりストレスがたまってヒステリックになってくる。家にじっとしているのが嫌いな人だった。年中仕事や旅で飛び回っているのが好きだった。買い物もお洒落も好きだったし、旅行先でわたしが使い捨て傘を買ったら怒ったくらいだもの・・・つまり、なんでタクシーに乗らないのか、と。晴れたら傘が邪魔になるでしょう、と言って叱られた。

わたしは捨ててもいいから傘を買って歩く人なのである。

そこが違うよなぁ・・・
タクシーも傘も同じ値段だとしたら、わたしは傘を買って歩く人だし、母はタクシーに乗る人。結局は、傘は邪魔だから誰かにあげて手ぶらで旅を続けた。

というわけで、わたしたち母子はいつもつまらないことで喧嘩ばかりしていた記憶がある。母にしてみればちょっとタクシーに乗れば濡れないですむし、邪魔な荷物を増やすこともないのに、と気分が悪いのである。わたしはどしゃぶりの夏の北海道が気持ちいいから歩きたかった。それとホテルはすぐそこだったし・・・

わずかなことだけど、これがすごく大きな溝。母はお洒落な人だったからせっかくの洋服や髪が雨に濡れて台無しになることのほうを嫌う。わたしは雨の中を歩きたい人だから濡れても平気な格好を好む。もう、ぜんぜん価値観が違う。バカバカしいほど。

あの母に雨の日に傘を持って歩きなさい、というのは拷問なのかもしれない。わたしにとっては楽しみなんだけど。どしゃぶりの夕立の中で500円をどういう風に使うかも人生観なのかもしれない。


注) この話はかなり昔の出来事です。1人で散歩に出かけて夕立にあってしまった時のお話。

投稿者 Blue Wind : July 10, 2005 02:33 PM | トラックバック
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