February 14, 2005

聖バレンタインの話

聖バレンタインのお話となると、あまりにも俗説が多いので、せっかくですからすでにサーバの全廃のために瓦礫となってしまった神父さまのサイトから、残骸を拾ってきました。

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聖バレンタインの話

 むかしむかし、ローマの国にとても熱心に神様を信じている、バレンタインという人が住んでいました。
 神様がお喜びくださることをしたい、といつも考えていました。そして、とうとう決心して修道院に行き、神様に仕える修道者になりました。修道院では毎日、聖書を勉強し、お祈りをしました。そして神様のために、いっしょうけんめい働きました。しかし、ある日、あることに気が付きました。
 ある修道者はイエスさまの絵を、とてもじょうずに描きました。またある修道者は、イエスさまや弟子たちの像をまるで生きているみたいにじょうずに彫りました。美しい声で神さまを賛美する歌のじょうずな人もいました。きれいな字で聖書をじょうずに書き写す人もいました。
 しかし、バレンタインだけはなにひとつじょうずにすることができませんでした。
 「わたしはこんなに神さまを愛しているのに、神さまのために働くことができない」と、とても悲しみました。
 悲しい気持ちで祈っているとき、突然小さな声が聞こえてきました。「あなたにできることをしなさい。神さまがそれをお望みです」。「わたしにできることってどんなことでしょうか」とバレンタインはすぐにたずねました。しかし答えは聞こえてきませんでした。そこでバレンタインはいっしょうけんめい考えました。そしてついに決心しました。
 「そうだ。わたしは毎日人々へ”愛の言葉”をおくろう。手紙を書いたり、小さな花束やくだものをおくってあげよう。イエスさまがなさったように、悲しんでいる人や、さびしがっている人、ひとりぼっちの人に、神さまの気持ち、愛を伝えよう」。
 くる日もくる日もバレンタインは「愛の言葉」を人々におくり続けました。そしてとうとう、バレンタインは国中の人々に「愛を伝える人」として、知られるようになりました。バレンタインから愛の言葉を受けた人は、神さまがどんなに愛してくださっているかを知りました。そしてとても明るい元気な人になりました。
 しかし、たったひとりバレンタインをとても憎んでいる人がおりました。それは王様でした。王様は自分よりもバレンタインがみんなから好かれていることを知って腹を立てました。そしてバレンタインを牢屋に入れてしまいました。
 ところがある日、バレンタインのいる牢屋にはとが飛んできました。その口ばしには、ハートの形をした葉っぱがくわえられておりました。バレンタインは、はとの落としたハートの形の葉っぱに、羽のペンで「愛の言葉」を書きました。はとは、その葉っぱをくわえると、バレンタインの友だちのところへ運びました。
 やがて、王様が死んだのでバレンタインは牢屋から出ることができました。そしてまた人々に手紙や花束やくだものをおくって「愛の言葉」を伝えました。
 バレンタインが死んだとき、人々は大変悲しみました。そしてバレンタインが神さまの愛を伝える立派な働きをしたことに人々は感心して、”聖バレンタイン”と呼び始めました。毎年、聖バレンタインのお誕生日がくると、人々はバレンタインのことを思い出し、自分たちも「愛の言葉」をおくりあうようになりました。こうして2月14日が聖バレンタインの日としてお祝いされるようになりました。

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愛というともしびのなか生れこしも鳩のまどべのこえさがしつる
ともしびの葉のひかるらむ愛のうた葉のない季節なにをもとめん
枯れ草の如月のゆめひかるらむやがては春のおとづるる原
バレンタインあなたはなにをもとむるかチョコレート色の愛のかたちか
透きとおるまどろみの陽はやさしげに愛の想いをささやきつkiss

(短歌 by Masako Shiraishi)

投稿者 Blue Wind : February 14, 2005 04:07 AM | トラックバック
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