January 16, 2005

ひかりひかれ舞う剣色永き陽のくりかえす陽をひかりひかれと

十年を迎えて今はしづしづと雨降る音と夫の高鼾
過不足に悩める息は小休止ほとほと降れば冬は深まる
房総に空白の息ありたるかほとばしりては海底沈み
五十年数えた月日大地震関西揺らし房総沈む
ながいながい沈黙する沖ひそめたる闇のいぶきにさざめく屏風

新しき年だと謂うか新年を昨日までとは違うと謂うか
ほのほのとゆらぐまたたきすまえては予期せぬことのなにがしと謂う
十年は苦きかたまり新年は迎えるよりもカウントダウン
ひそめてる息のかたまり明日の朝雨はあがるか激しく降るか
倒れては新たな家の建ち並び新たな刃深深と胸

祈りうた詠んでみたいが雨の音重なるような冬の暗がり
めいっぱいくりかえすより気まぐれな弱まる雨が無機質な朝
怒るより感謝すること多かった震災と謂い睨まれている
ちっぽけに感謝してるよ雨音は生きてる空をつたえておりし
ガレージを打ち付けている雨音は隣の家の子守歌なり
ボサノバは声とギターで始まって半世紀経ち「声とギター」に
つながってブルーノートと呼ばれても声とギターに小声のジョアン

詩編 1. 4-5

みことばよ吹けよ吹け吹け風のみち吹き飛ばす音あまりに静か
ゆらぎゆく静かな炎大息で吹き消したとて微かな吐息
リズミカル偶然の雨なりだせばジョアンのサンバあまりに静か
これなんだ、そうこれなんだよとおもうけど、淡淡としてかたき炎を。
潮風に慣れた耳には散らす風ふりまくような音のない音
躁聴けばミステリアスな小説を思い浮かべる必然の文字
鬱聴けば生きるの死ぬの月の裏眺めるような必然の文字
それは来るわざわいの日は突然に。そうなってみて気づく孤独か。
偶然に支配されては無気力にえがくみちすら必然に消ゆ

詩編 39. 14

沈黙は茜のそらに似ていると啼くカラスには時間を尋ね
生まれてはくりかえすこと空の色明日もあるかと問う先もない
カラスなら知っているかと茜いろさす時間には告げまわる声
雨音がどういうふうに鳴るかまで知っているかと問う先もない
沈黙はしずかな腕をひろげてはちらちらと雲吹き流すよう
水底にしずんだ青は光る海みあぐるように空をみあぐる
こちらから見えないのです光るそらむこうの空は何色ですか
水のなかすいすい泳ぐさかなさまわたしのすがたゆがんでますか

マタイによる福音書 10. 34-39

そらからの剣の舞うかみことばを地上の平和祈るひとあり
ひかりひかれ舞う剣色永き陽のくりかえす陽をひかりひかれと
贖いのしずかな光ほのぐらき虹の空にはにあわぬ剣
憐れみを、七色の虹広がれば大地のつるぎ弧をえがき射す

みそらにぞ晴れてうたいし音のごと奏でるようにひびけひびけと

御手ゆだね今生きるひとのしあわせを砂さらさらと落つ波のうへ
雲のうえ静かに昇っていくような大きな虹はきぞの台風

詩編 88. 9-19

暗闇に降りくるような落雷は音なくば青復活す夜

投稿者 Blue Wind : January 16, 2005 06:35 AM | トラックバック
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