ジェラシーが点滅してる信号機危険地帯を立ち止まる道
向こうにはおなじ歩道がつづいてるこちら歩くかあちらわたるか
フラッシュの飛び出すような心臓におどろいている他人のわたし
まっしろなうさぎのまなこあかあかと信号の色うつしてをりし
たちどまる。飛びさるうさぎ。葉隠れにすかしたゆうひ。あしたもあるさ。
すこしずつ死んでいくこと愛と謂うモーリヤックは貸し出したまま
オバデヤ書 13
一枚の紙あらわれて「オバデヤ書」いつもあること忘れてめくる
とおりすぎたひねもすのなかわたしには気がつかない不可視な世界
まんまるく浮んだつきはみかづきにかくれてかげはそらを広げる
どろどろのアンビバレンスもぐる糸もろはのようなきみのある日々
よろこべと憎しみが言うみがってに愛はみなもにうかべる笑みか
戦争さ、最大限の憎しみは。神の愛すら奪いあうから。
神の愛ふかぶかとしてひろびろとはるかな風にアンビバレンス
もうそれは愛ではないと茜いろゆうまぐれ待つほそき浮き雲
コリント信徒への手紙 一 16. 13-14
◇ご返歌
はらりはらり言の葉の海広がりし敷島の四方あゝ海なんだ
◇BBS詠
雨のいろ季節の画家はどんなふうに今日のわたしの空を見つめる
みかづきはふまんなかけらそらのいろすこしひろげて遊泳してる