December 14, 2004

次の風を待つ

短歌って、なにが短歌なんだかわからなくなるから面白いんだと思う。

今、久しぶりに短歌のサイトをサーフィンして、近頃、ブログばかり眺めているせいか、サイトって見にくいなどと思いながらも、--つまり、いちいちクリックして、行ったり来たりするみたいで、一枚ページに慣れてしまうとクリックすら一方通行が気分がよいとすら感じながら--、検索を遡る。
検索上位定番サイトを越えて、次第にマイナーなページへ飛び、今はもうすっかり廃れてしまった「100の質問」の歌人版などを眺めながら、もうこれを書く気力はわたしには残っていないなどと感じる。

そして不意に、枡野浩一さんとか、加藤千恵さんとか、実は名前くらいしか知らないことに気づく。
歌人の名前なんて、正直、国語の教科書に載っている程度の知識しかない頃から詠んでいるために、自分がネット歌人を自称しているくせに、本当はそういうネット短歌自体にも興味がないことにも気づく。
あゝこの辺りから、イメージがつくられてしまっていったのだと気づく。

わたしには何の関係もない。
もう少し早く詠み始めていたら違っていたかもしれない。
その「100の質問」の中の、”リアルでは短歌とはなんの関係もない”というフレーズが印象的。
実際問題、わたしも歌会にも行ったことがないし、今はまだ行こうという気になれない。結社には入っているから、参加しようと思えば機会はあるのだけれど、何となく足が向かない。
それは、リアルとかバーチャルということではなく、単に日常が忙しいとか、歌会の意味と意義を理解していないとか、選歌の奴隷にはなりたくないとか、ある意味とてもわがままさが根底にある。もう7000首以上詠んでいるわけだから、それこそあれにこれにと歌はある。
ある人はそのままでいいと言い、ある人はそこから言葉の配列を考えたりしながら練り直す作業をしなければならないと言い、おそらくはそんなにたくさんいるかどうかは別として、100人の選者がいれば、100人の選者がそれぞれ違うことを言っていたとしても当たり前の話であり、のらくらといろいろな人たちの意見などを聞いてしまうと、ますますわからなくなっていってしまう。

詠み始めたばかりの素直さが懐かしい。
あの頃は、サイトに集まっているのが、それこそ気楽にネットで短歌を詠んでいる人たちばかりだったから、それは短歌ではないと言われればNHK歌壇に投稿して、「ほらほらほら〜、伊藤一彦さんが選歌してくれたよ〜♪」などと言って無邪気に遊んでいた。
伊藤さんだったからよかったのかも。これが、枡野さんだったらネット短歌と言われてしまったかもしれない。
偏見だよなぁ・・・・おそらくはすごい偏見なんだと思う。2,3回結社に投歌してみて、それは感じた。

昨日、書評のブログをサーフィンしているうちに、俵万智さんが与謝野晶子の歌をチョコレート語で翻訳しているという本が紹介されていた。調べないとタイトルはわからない・・・すでに忘れた。でも、あれは源氏物語の和歌を瀬戸内寂聴が口語訳しているよりも、意味不明だと思った。すでに、与謝野晶子の短歌が鑑賞付きで発売されているところをみると、もしかするとチョコレート語ではないと通じないのかもしれないという恐怖はある。

世代の差は歴然としてあるような気もする。
もしもわたしが高校生だったら、与謝野晶子調でなんて詠めんぜよ。それこそ授業中のひまつぶしにノートにちょこちょこ書くような歌が本気っぽくて面白い。でもさ・・・正直、わたしはジョン・レノンが射殺された年齢をすでに超えてしまったのである。ランボーが死んだ年をクリアして作歌を始め、あっという間に坂を下り、それでも今のところ無事に生きているみたいなので、今度の目標は森瑤子である。そこまで長生きすれば、また次のステップを考える勇気が出て来る可能性はある。

が、しかし・・・・匿名でいわゆるネット短歌っぽく遊んでいた人たちが、実は50代とか60代の人たちだったとしたら、どう思う?
気分だけは、10代、20代なのかもしれない。
わたしもそのうちそういう気持ちが理解できるような年頃になる。生きていれば。
ネットだから、できる業なんだと思う。
おじいさんが、枡野っぽく遊んでいる。
それはそれで悪いことではない。でも、きっとリアルではできないんだろうと、思う。いっそのことできる人ならネットなんかで遊んではいなかったりして。それは恋歌ではなくセクハラ短歌とまで言われている。ある意味、怖いものなしなんだろう。なんか、うらやましい。
老人ホーム、か。

選歌の奴隷・・・・・
昔はよかった。って、ついこの間なんだけど。
葉書出して当選したみたいなノリ。てきとーに詠んだ歌を宝くじ感覚で賞に出す。
今、もう、違うもん。
”本気”だからさ、ご意見番も。

などと何でもサイトのネタにしながら、時間は過ぎる。
これが短歌であるという定番もあれば、何が短歌なのかわからないという定番もできつつある。
で、次が・・・・・わからない。
風だからな・・・

投稿者 Blue Wind : December 14, 2004 02:53 AM | トラックバック
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