December 10, 2004

まあいいや、言っても無駄と諦める。オムツするのは親のほうなり。

絶え間なく曇り空かな白い日は眠りの小箱子犬の寝息
わが母の眠りつく日々過ぎゆかば伯母の杖さえ吾に届かず
歩けるか歩けないかもわからない月日のなかに陸は孤島に
師走には動物病院駆け足で駆け込みながらひねもすはゆく
自動車を北へ南へ走らせばカーラジオさえ聴きなれた曲
お正月待ってくれぬか洗濯をそういう年を迎えつつあり
少しずつ子犬のマリは快方に向かいながらも食むこと忘れ
飼育だと思ってしまえばスポイトを使う手つきも慣れた心地す
仕事だな。これは仕事だ、走る道。寒空の下、薄着に気づく。
馬鹿馬鹿し親の世話など好んではやりたくもない寒空の下
奇麗事言ってくれるな、なーんてね、言ってもみたいため息一つ。
世話するかさせてもらうかあほらしく親子の情より娘の義務さ
年寄りがうざく思える月日には頭ごなしの言い方のあり
まあいいや、言っても無駄と諦める。オムツするのは親のほうなり。

エレミヤ書 5. 4-6

フセインを倒してみてもミニ・フセイン乱立するを国家と呼びし
憲法を改正しても世の中は因習のうえ法律があり
形だけ整えてみて魂は消えもしないか天にも地にも
くるくると台風のよう因習のくるくるまわるミッション布教
脳内を白紙にしても暈けるだけあゝ年寄りだ子ども過ぎては
ふわふわと柔軟剤に漬け込んだセーターの脳吹くかたつむり

伯母さんはまだ若いよと敷島の平均寿命思い出しては
世代すら区別のつかぬ街景色髪の色すら彩るカラス
霜枯れる草の立ちたる花壇には伸びるのやめたあらくさ似合う

シャーデーと和歌の関係ありなしも気分転換霜枯れの部屋
くちびるの渇いた季節四季はなしエアコンの息部屋に流れり

ローマの信徒への手紙 16. 25-27 神への賛美

生まれては暈けて死ぬまで蝕まれ肉体のごと土くれとなる
脳発作何もするなと書置きを遺していても無為というもの
死にたいと言ってた母ももう五年いのちづよいと言われていては
この五年母にとっては五ヶ月かたまに感じる止まった時刻
もう一年あと一年とひねもすは昨日のような師走を迎え
きらきらときんきらきんにお月さま浮んだ空はありもせぬ夢

ユダヤ的退廃の満つひねもすも明るい陽射し雲去るを知る

エゼキエル書 40. 1-4

颯爽と吹く風の音聴こえぬも晴れる窓辺に動く雲見る

投稿者 Blue Wind : December 10, 2004 09:47 AM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?