October 13, 2004

わたくしは自由なんだと言い放つあなたのいない海の向こうは

題詠マラソンで遊んで来ました。

あれこれと話すことさえ疲るるも詠み逃げなれば咎のなかりき
つよき人よわき人など考えて透明な人いづこにいると
言には命があると言うのなら爪弾く音には何があるのか
よわき人いじめられたとよわき人いじめられたとまたよわき人
つよき人たたきつかれてたたかれてたたきのめしてまたつよき人
カタバミの黄色い花の咲いている芝対カタバミどちらの勝ちか
曇り空どうでもいいさと秋風は吹くのをやめて灰色の雨

エズラ記 9. 1-9

神の子の十字架のうえ黄昏は奴隷の頃のふるき思い出
あれこれと目を通さずに積まれしをそのままにしてひねもすを終え
あらくさを菜っ葉のように引っ張ればほうれん草の売りきれた店
海のうえどうでもいいと白雲はかげを落としてすぎゆくばかり
自由とは奴隷でないという意味か渦巻く色のいづこに消ゆる
わたくしは自由なんだと言い放つあなたのいない海の向こうは
茫洋のひろがりゆかば海のみちスコールの降るしまかげもとむ
疾風の逃げ出すようなボートには黒い波雲うちつける雨

詩編 117. 1-2

ボサノヴァを少し離れて雨の中鈴木重子のボサノヴァを聞く
サントラの流れゆく音ジャズ・ボイス、アルトの声のアベ・マリアかな
手を止めて流れる歌を聴いている怠惰な夜は雨の降る夜
雨降りの空も知らずに虫の音の聴こえぬ夜は静かな雨か
ヴィオロンの値を言われてはためいきの音色もかわるつまらない曲
しづしづと降る雨なきはものがなし犬ものたりと通りに眠る

マルコによる福音書 12. 38-40 律法学者を非難する

つよき神よわき人らを助けてはくりかえさるるよわき人らか
まじめにもなれずに生きるおろかさは奏でる虫の羽音にも似て
のらくらと逃げちまえよと草の中めだたぬように葉に沈みたる
演奏会ひらいて死んで虫たちは生きて死んだと季節はめぐる
セールスになんのごようと鬱憤を晴らしてみてもささやかな地位
スーパーのレジに並んで金払う機械のような気楽な稼業
信号のちかちか変わる交差点雨ににじんでライトは光る
神さまに信号変えてと祈っても機械はうれし雨は楽しき
信号の公平なさま眺めてはいそがぬことをよろこびに思う

詩編 69. 21-30

題詠マラソン残り18首。
そろそろCGIも6000首を越える頃。
あと14000首・・・・脱エジプト。
あと何年かかるだろう。
栗木京子さんもネットについて講演なさるみたいだし、親近感。
歌壇だと若くもないのに若い若いって言われてしまう。
まだ平均寿命の半分にもいってませんの、ほほほ、ってか。
うた浅いから、同期が20代、30代になってしまうのでせうか・・・あーやだやだ。
20代でも先輩なのよね・・・ゆううつ。
ネットだとそういうのは関係ないから・・・・きらくといえばきらくなのでせう。
死んじゃえばもっと関係ない。

いまの吾いつしか去りしいまの吾おとずるる吾いつも過去へと
もう二度と逢うこともない自分へと言の葉のこすへのへのもへじ
わがうたを読むことかたき年の頃ほめてくれるかわれという人
へそまがり下手なうただと叱っては下手なうたなどうたっているか

エレミヤ書 50. 6-7

人生はいつも不毛だ。

投稿者 Blue Wind : October 13, 2004 06:35 AM | トラックバック
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