July 28, 2004

昼の月追いかけてゆく夏の道アスファルトにもあらくさは生え

6枚のハッシュドポテト焼きたれば誰食べるのと無意識に問う
すいか切り姉さんぶって夏休みおなかすいたと言われない夏
すこしずつ自分のことができてゆくせいいっぱいの夏はすぎゆき
白御影墓石のような階段がポーチに並ぶ不可思議な庭
家の中すこしずつでも模様替え片付けゐればまたものの増え
がむしゃらにせいいっぱいに生きている。わるくはないがつかれもはしる。
花のない庭はさびしき一年草いまこのときをともにすごさぬ
土掘れば汗はしたたり根の渦の紛れ込みたる埃舞い立ち
親のエゴふりまわされて今は夏御影の石は死後の贅沢

嫁さんに嫁なんだからと言われてはあんたの親はさらに他人さ
嫁さんに嫁なんだからと言われてはわたしゃ娘さあんたは他人
嫁さんに嫁なんだからと言われては弟の顔睨んでもみる
寝たきりの親がいること知っていて結婚したと思っていたが
何一つ迷惑かけていないだろ何が不満かわからない夏
新婚は他人なんだと思い出す離婚したとて事後でよろしく
親の世話ひとりでしてるつもりなら蚊帳の外には鬼嫁のあり
マザコンにあれこれ言ってしわよせがこちらに来る迷惑な夏
弟にしがみつきたるわが母は寝たきりのまま姑してる

関係ないよなぁ・・・

棺おけを取り囲まんと叔母はいう。思えば壮絶、連合部隊。
小姑の連合軍を指揮してはそそくさ逃げるわれを思いし

戦場よ、墓の中まで戦場か、御影の石は無料らしいが。
御影石贅沢なんだと知る夏は見知らぬ人がくれた石なり
気まぐれは突然にしてやってくる雷鳴のごと雷雨となりぬ
しがらみのなかりし人は親切に不器用な庭つくってくれる
戦場は誰がみるとかみないとか何もないのにややこしいさま
想念が怨念となる夏の日はあらくさばかり根ののこりたる
ふつふつと根ののこりたる怒りの根日照りのつづくぐったりと夏
昼の月追いかけてゆく夏の道アスファルトにもあらくさは生え

エゼキエル書 17. 1-10

芝の上土より先ににわか雨如雨露のような空を眺めり
めぐみの日育てた花はバックホーン根より捨てられあたらしい庭
夕立は気まぐれなまま石と芝わが庭にして秋を待ちたる
雷鳴の轟く日にはわが庭は石ころだけが残されている
ぼんやりと墓場の石の階段をながめる日々がやって来ている
母の死の報せを待てば夏の日は静かに庭を芝にしている
生存を確認してはわが庭はほんの少しの草木の茂り
秋が来て春が来たればわが庭は新たな夏を迎えるように
芝草に足止めをくう夏の日は紫陽花を待つここちするなり

マタイによる福音書 16. 5-12 ファリサイ派とサドカイ派の人々のパン種

ジグザグを描いたような人模様はずみと渦の日照りの夏よ

せっかく平和に暮らしているのに・・・
あっという間に戦場。
庭仕事してたほうが夏はすぎゆく。
夏は厳しい。

投稿者 Blue Wind : July 28, 2004 03:42 AM | トラックバック
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